□猫耳セーラーの破壊力x梅樹
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障害物競走の最終種目がコスプレであることは毎年恒例であることは知っていたし、それでボーナスポイント貰えることも知っていた。
足が遅い菊華がこの種目に抜擢されたのも、それが狙いなのだろうと予想していた……のだが、

「“國崎選手の衣装は【猫】だー!!”」

こんな俗っぽい服を着るのは予想できるはずないだろう。

「……あいつんとこいってくる。」
「いってらっしゃい。」

紗英に一言残して、ゴール直後の菊華のところまで行く。
驚いた様子の彼女の姿に、また目眩が起きそうになった。
ちゃっかり松が己のジャージを貸していて、サイズの問題から見えるのは尻尾だけ。
あまりに無防備すぎる菊華のお花畑な脳内に溜息を吐きつつ、今にも失う寸前の理性をなんとか操作する。

「着替えに行くぞ。」

手を取ると、タイミングよくチビが彼女の体操服を運営委員のテントから持ってきたところだった。
それを受け取り、なるたけ人気のないところを選ぶ。着替え中に性別がバレてしまっては、なんとお粗末な話だ。
校舎内に入り、2階にのぼると廊下さえ誰一人いなく適当な空き教室へと連れ込む。

「ここなら誰も来ねえだろ。」

窓からグラウンドを見下ろすと次の種目の準備をしている最中である。
騒がしい外とは裏腹にここは物音一つさえしない。

「ほら、さっさと着替えろ。オレは廊下いるから。」
「うん。」

服を与えて退散しようと思った矢先、自分の上着の裾が引っ張られる感触がした。

「なんだ。」
「っごめん、なんでもない。」

なんでもない、って顔じゃねえだろ。
モノ欲しそうに潤む瞳で見られてしまえば、胸の奥にある本能が疼かないはずかなく、彼女を近くの机の上に座らせた。
ジャージのジッパーを降ろすとやっと抵抗を始めたが、両手首を掴むとそれは一切意味をなさない。
セーラー服ってこんなエロいもんだったっけ。中学時代の記憶を思い出しながら頭のてっぺんから足のつま先まで舐めるような視線で視姦をし、いやらしく身体をよじる彼女の耳元で囁く。

「可愛い。」

ほら、望んでた言葉だろ。
みるみるうちに白い肌は熱を帯び茹でダコみたいに紅潮していく。
火傷寸前の頬に手を添え、唇を寄せた。

「っ……。」

無意識なのか誘ってるのか、彼女の方から薄く開けた口に舌を差し込む。
時折こぼれる彼女の声に理性をぶん殴られながら口腔を余すことなく犯す。
猫みてえにチラチラと愛らしく動かす舌に興奮を覚えないわけがなく、銀の糸が切れる頃にはあっちの息が絶え絶えになっていた。

「早く、着替えなきゃ……。」
「脱がして欲しいんだな。」
「そういう意味じゃ、」

シュルリとリボンを外し、服のホックを外すー刹那、教室のスピーカーからノイズが聞こえた。

「“2-A 菅原梅樹!さっさと入場門に来い!”」

この声は粂寺ちゃんか。
舌打ちを隠しきれず、菊華の頭をぐしゃりと撫でて教室から出た。

……あーあ、危なかった。
感謝半分恨めしさ半分っつーことで、階段を駆け下りた。



 

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