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□たかがシンデレラx藤次郎
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この状況はやばい。
不可抗力とはいえ押し倒してしまうとは。 自分が一番理性を保てない姿勢だ。
「……のいて。」
向こうも少なからず照れているようで、口では悪態をついているがほんのり頬を桃色に染めている。
あかんなあ。すぐ欲情するなんて歳上の余裕がない証拠や。
「すまんな。」
謝る気がさらさらない声で菊華の両手首を片手で掴み頭上で床に縫い付けると、唇を寄せた。
「!!」
抵抗しようともがくけれど、そんなの一切意味がない。
むしろ油断して口が開いた隙に己の舌を差し込んだ。
上辺をなぞればわかり易く反応する。可愛らしいな、とわざと粘着音を響かせると耳まで林檎みたいになった。
「っ……ん、……!」
唇から透明の液体を垂らし、荒く口呼吸をする姿はなんて艶めかしい。
生理的に浮んだ涙を持つ瞳できっとこちらを睨んだ。
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