□没ネタ集
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【散策】
第十一幕【祭騒】

ジャ〇ーズ騒ぎで出雲と加賀斗くんの二人とはぐれてしまった。のんびり探そう、という建前で屋台をまわる。

「お前さん、きれいな顔してるねぇ。おばちゃんちょっとだけサービスしちゃう。」
「わあ!ありがとうございます。」

具沢山の焼きそばに心踊らせる。
射的やヨーヨーも魅力的だけれど、やはり食べ物が1番屋台感を味わえて好きだ。
オーソドックスなところはまわったしそろそろ真面目に見つけるとするか。

「菊華。」

と、思ったら声をかけられた。
振り向くとすぐ後ろに松樹と梅樹くん。

「1人か?」
「出雲と加賀斗くんとはぐれちゃって。2人は仲良くお祭り?」
『違う。』

綺麗に声がハモる。

「…………親の指図だ。仲直りしたならって。」
「じゃなきゃ何を好き好んで弟と祭りなんざ来なくちゃいけねぇんだよ。」
「言いながら楽しんでるね。綿菓子なんか持っちゃって。」
「うっせぇ。」

梅樹くんが綿菓子で私の口を塞ぐ。
食べてもいいんだと勝手に解釈して一口もらった。
美味しい。自分用に後で買おうかな。

「2人を探してるなら協力するぞ。いくつか当てはある。」
「本当?別にいいのに。」
「つーか探させてくれ。松と回るの虚しくなるんだよ。」
「こっちのセリフだ。」

やっぱり仲が良い。



「そのピンどうしたんだよ。珍しいな。」
「これ?ふふふ〜。」
「んだよ、気持ち悪い笑い方。」
「秀一郎からのプレゼントなの。」
「秀一郎……って、あのお前のとこを贔屓にしてる人の息子か。」
「うん。似合うでしょ。」
「……そーゆーのはよく分かんねぇけど、悪くはねぇな。」
「似合うが……女物の浴衣の方が相性がいいと思うぞ。」
「女物……。」
「そういや、チビと皇何色の服着てるんだ?」
「出雲はピンクで、加賀斗くんは藍色の浴衣。あ、出雲は頭にリボンしてるよ。」
「…………メイドは何を着てるんだ?」


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後書
兄弟でお祭りなんて行かないよね。
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