TOV小説

□いつかきっと
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穏やかに晴れ渡る青空。未だに星食みは遥か上空で蠢いてはいるが、今はそんなものは気にならない。

男が気になっているのは、目の前で眠り続ける銀髪の男――アレクセイのことだけだった。

ザウデで死にそうになった彼を助け出したはいいものの、負った傷のせいか否か、昏睡状態が続いている。

(…大将…)

自分のたった一人の主。何故こうなる前に止めてやれなかったのかと、今さらながらに後悔する。

でも、彼は眠ってしまった。手を握っても、握り返してはくれない。

自分を傷付けるばかりだった、この手を。
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