TOV小説

□教えてよ、辛いなら。気付きたいんだ
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「あっ、ユーリ!」

自分を呼び止める声に振り返れば、紫の羽織りを着た男が小さな箱を手に駆けてくる。

「なんだよおっさん」

「これ」

ずい、と差し出されたその箱。

「なんだよ」

「ケーキよ。もらったんだけどおっさん食べないからさ。よかったら大将と一緒に食べなよ」

「なんであいつとなんだよ」

不機嫌を思い切り顔に出せば、俺とは対照的ににこにこと笑って。

「だって大将も甘いもの好きだからさ。だから、ね?」
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