music,person


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 ☆原題

  Something Sings

 ☆邦題

  サムシング・シングス

 ☆作曲

  Robert Prizeman

 ☆原詞

  Ralph Waldo Emerson

 ☆収録

  VISIONS(2005)
  Tr.9
  ・ソロ
   Michael Horncastle
  ・演奏時間
   3.40

 ☆解説

   歌詞のベースとなっている
  ラルフ・ワルド・エマーソン
  は、1803年ボストン生まれの
  アメリカの思想家。神学校を
  経て牧師となるが、その後辞
  職。ピューリタニズムの思想
  家・文学者・哲学者。“名格
  言集”などに彼の言葉がよく
  登場する。エマーソンの思想
  にロバート・プライズマンが
  共鳴したのかな?と思い尋ね
  たところ、「彼の詩は、ごく
  最近発見した」とか。エマー
  ソンの詩とは古いお付き合い
  ではないらしいが、語りかけ
  るようなソロの出だしといい
  、曲全体の透明感といい、リ
  ベラの美学ここにあり!と思
  わせる曲想は、確かにエマー
  ソン描くところの「自然論」
  の世界と一致する点が面白い
  。(VISIONS・増山法恵さん)

 ☆私の見解

   初めの音はラとミだけ。即
  ち完全五度、しかも全音符。
  完全五度は通常“空虚感”が

  漂うとされ、それが全音符な
  のだから、普通ならかなり“
  空虚”に聞こえるはずだ。し
  かしマイケルの声が重なった
  瞬間、それは一瞬にして“充
  実”して聞こえる。和音上も
  そうなのだが、何よりマイケ
  ルの声が良いからというのも
  事実。
   短調か長調か分からないま
  ま順次進行で進んでいき、1
  フレーズ終わる直前に四度の
  下降跳躍。これが八小節間に

  二回あり、後半少しだが音域
  が上がるため、二回目にはこ
  れから何かが起こると予兆を
  感じる。
   独唱から合唱へと変わり、
  一気に広がりを見せる。1st
  トレブルは勿論、2ndや3rdト
  レブルが歌うパートが美しい
  。
   そしてクラリネット。たっ
  た一息のフレーズをこれでも
  か、というように朗々と奏で
  る(私がLIBERAを好きになっ
  たのはこのクラリネットに惹
  かれたからでもある、という
  のを書いておこう)。
   再びマイケルのソロが入る
  と、フルートがこれまた美し
  い対旋律でマイケルに寄り添
  う。二度目のサビ。前半のま
  とめとなるこの部分は途中で
  フルートが合唱を支える。フ
  レーズの終わりには先ほどと
  同じように、いや、先ほどの
  1オクターブ上でクラリネッ
  トが響く。
  そしてここから、クラリネ 
  ットが主となる旋律を奏で、
  合唱がハーモニーと新たな対
  旋律を持ち出す。
   再び合唱が旋律をとり、三
  度目のサビはしっとりと。終
  わりのクラリネットも、もと
  の高さに戻ります。
   次のフレーズから、後ろの
  楽器たちの力強さによってフ
  ィナーレへの盛り上がりを予
  感させます、が、突然全体の
  音域が下がり、私たちは驚か
  されます。年上組の声の魅力
  が発揮されています。そこへ
  高音域のマイケルらが重なり
  、曲は最後の盛り上がりを冷
  まさぬまま合唱がマイケルに
  引き継ぎ、最後はマイケルが
  語るように歌いあげます。
   最後まで短調か長調か分か
  らないままだというのに、不
  安定感は全くない。まさしく
  これは素晴らしい曲であり、
  個人的にはこの曲が、LIBERA
  が歌う数々の曲の中で一番好
  きな曲である。
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