リヴァイ短編
□Hold firm
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ずっと、憧れていたものがある。
Hold firm
深夜、いわゆる丑三つ時。
宿舎の廊下恐る恐る確認する。
左右を見回して誰も居ない事。人の気配がしない事を確認した。
最近毎日深夜にこうやって部屋を抜け出す。
食事が終わって書面の処理を終わらせるとちょうど10時過ぎになる。
そこから報告もかねて上官の部屋を訪れる。
廊下には誰も居ない。
毎朝早朝から訓練もあるし、皆職務を終えると眠ってしまうので深夜起きてる人間の方が少ないので誰かいること自体少ないのだけれど。
「名前」
一歩廊下に出た時に部屋の主が私を呼ぶ。
ああもう。
仕方なく扉を閉めて、部屋の主の方へと首を向ける。
眠そうな目をしながらベットから身体を起こす。
お腹から下はシーツで隠れているが鍛え抜かれた上半身が目に映る。
「ごめんね、起こしちゃった?」
「どこへいく」
起こしてしまったことを謝ったのにそれに対しては全く触れず、私が部屋から出て行こうとしたことを咎める。
身体を反転させてドアに背中を預けて答えた。
「部屋に戻ろうと思って」
その言葉にむっとした様子で、ベットからはい出る。
何も身に着けていないのは上半身だけではないのに。
ドア前まで来て片手でドアを押さえつけて私に詰め寄る。
「此処に居ろ」
そう言って私の手を引いてベットに戻ろうとする。
私は手を引かれるままにベットへと戻ると、構わず部屋の主はベットの中へと戻った。
小さくため息をついてベットのそばに膝をついて頭に触れる。
「ねぇリヴァイ。」
目を瞑りながら私の手を握る。
そのまま髪をすくように撫でる
「部屋に戻らないと、朝錬きついんだけど」
「此処で寝ればいいだろうが」
目を細めながら撫でる。
頭を撫でられると安心するのか、リヴァイが大きくあくびをした。
「でも此処で寝たら規律とか、ね?」
つまらなさそうに聞き流しているだろう、生理的に出た涙を人差し指で拭ってあげると握っていた手を強く引かれた。
倒れこみそうになったのでとっさに空いているほうの手をベットにつかしてバランスとをる。
が、そのままベットの中に引きずり込まれた。
「るせぇ、俺がここに居ろって言ってんだ。ここに居ろ」
そう言って腕の中にすっぽり納まった。
腕を回され腰と頭を固定されてしまった。
ついでに脚も上から乗せられて抱き枕状態で拘束された。
「もう・・・」
リヴァイは言い出したら聞かない。
仕方がないので片腕だけ彼の背中に回す。
回す際に少し身体を寄せると腰に回していた手に力が入った。
「おやすみなさい」
「ああ」