SUPERなえるぷの貶し愛

□ハゲ散らかった想ヒ出-8-
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その頃僕は、デパートの
薬品売り場にいた。


正体を知られたくないから
帽子を深く被ってマスクをして
眼鏡をかけた。

「我ながら完璧な変装。
さっさと良さそうな薬
選んで帰ろう!」


そう小声で独り言を言いながら
辺りをキョロキョロ見回す。


何か育毛に役立つ薬は
ないかと探しに来たが
正直さっぱり分からない。

僕が迷っていると
一人の男性が薬品
売り場に来た。


『体細っ!!』
僕は頭の中でそう思った。


背が高くて細くて
まるで歩く棒のような
人だった。
だが、驚くのはそこじゃない。

頭が異常に薄い!!
見た目は推定20代後半、
だけど髪の毛が小さな
鳥の巣よりも薄くて
風が吹けば散るんじゃ
ないかと思った。


『めっちゃハゲ散らかって
んなぁ……』


僕は笑顔がひきつり
かなり引いていた。


『アレだけは絶対に
なりたくない………』

(マヂ失礼だゎwww)




少し避けてはじっこの
方に行く。
この人がどんな薬を
買っていくのかめちゃくちゃ
気になってしまった。




男性は慣れたような手付きで
商品を手に取り、裏面を
読み始めた。


なにかブツブツ言っているが
僕のいる場所からは
何を言っているのか
全く分からない。


だが男性はしばらく
物色したあと、ひとつの
商品を手に取りこう言った。



「う〜ん、いつもので
いいか。」










『いつもの』


その言葉に僕はどれ程の
恐怖感を味わったのか
他人にはわからないでしょう。

こんな薬を買うことが
僕の日常に増加わる事が
恐くて恐くて堪らない。
まさに今日がその最初の日
なんだろう。



僕は意を決してさっきの男性が
買っていった商品と他のを
適当に2個手に取り
レジに向かった。



「と、取り敢えず何個か
買っていこう…あんな所に
ずっと居てられるかよ!
レジの人には気付かれない
ようにしなきゃな。
はぁ〜緊張するぅ…」



僕の前に並んでいた人たちは
次々と会計を終わらせていく。

そしてとうとう順番が
まわってくると僕は
緊張のあまり商品をまともに
渡すことが出来ず、若干
震える手で投げるように
渡してしまった。
一瞬怒ってんじゃないかと
思われたかも知れない。


何だかチラチラこちらを
伺う店員。


『うん、わかるよ?
だって育毛剤だもんね
しかも3本だもんね………
わかったから見ないでくれ』


頭の中でそう言いながら
早く終わってくれないものか
と僕は思った。




やっと支払いを終らせ
帰ろうとすると突然
携帯が鳴り出した。



「もしもし」



LT「もしもし?今何してんの?」


「な、何って買い物」


LT『なになに!?何買ったの?』


『育毛剤買ったよぉ』
なんて言えるわけがない。
絶対に言えない!!


「なぁ今から来れるか?
俺とウニョクとドンへで
ジムに来てるから
お前も来いよ!!
イェソンいないと寂しい〜」


(寂しい〜って言われたら
迷わずすっ飛んでくよ。真顔)



「あっ、いや…忙しいから
また誘ってよ!僕ちょっと
やることがあるんだ!
それじゃっ!!」


僕は一方的に電話を切ると
急いで店を出た。
万が一帰り道で知り合いに
出くわしちゃう可能性が
あるかもしれないから僕は
買った物をカバンの
一番奥にしまった。





部屋に帰ると、僕は早速
カバンの中から買ったものを
取りだし、テーブルの上に
並べて置いた。
そしてそれをジッと
見つめて考える。



「一体どれが一番いいのか
分からないなぁ……
さっきのハゲ…あ〜いや男は
コレを買ってったけど、
ハ、ハードってことなのか?
あのレベルならそんな感じが…
僕…いくらなんでもそこまで
キテないしなぁ…」


(ほんとに失礼www)



独り言を言っていると玄関の
方から話し声が聞こえてきた。




EH「イェソンヒョーン!!
ただいま〜居るぅ〜?」


DH「ただいまぁー!!」



「ヤ、ヤバイ!!薬が
見られちゃう!!」


僕は慌てながら色んな
引き出しを開けて、育毛剤を
隠せる場所を探した。
見つかってしまった時の
事が頭を過る。


「絶対バカにされる…!
冗談じゃないよぉ!!」











次回
イェソンの育毛剤は
見つかってしまうのか!?

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