SUPERなえるぷの貶し愛

□ハゲ散らかった想ヒ出-2-
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朝の事があってから僕は
気が気じゃなかった。

車の中でレッスンスタジオに
向かいながら頭は手のひらに
あった抜けた髪のことで
いっぱいだった。




「……ソン!!イェソン!!」


誰かが僕を呼ぶ声に
ハッと我に帰り、周りを
見渡した。



「どうしたんだよ?
お前変だぞ、さっきから
ボーッとして。」


様子のおかしい僕を心配して
声を掛けてくれたのは
イトゥクヒョンだった。



「悩み事か?あぁ〜わかった!
片想いしてんだろぉ?
お前この間めっちゃ可愛い子
いたって騒いでたもんなぁ〜」


『あぁヒョン…理由がそれなら
どんなにいいか…』




こんなことを考えながら
僕はただただ苦笑いをした。
間違ってもハゲかけてる
なんて絶対に言えないよ…




すると突然、後頭部に何か
固いものが直撃した!


「痛ってぇぇぇ!!」



ぶつかってきたのは後ろの
座席に座るキュヒョンの
携帯だった。


「ごめんヒョン!!大丈夫!?」


キュヒョンは隣のソンミンと
ふざけてて間違えて携帯を
放り投げてしまったらしい。

そしてキュヒョンは
ぶつかった所を擦ろうと
頭に手を伸ばしてきた。


なんて恐ろしい光景だろう…
伸びてくる手が
スローモーションに
見えるよ。

僕は触られちゃいけないと
キュヒョンの伸びてくる手を
力の限りはね除けて
「触るな!!」と叫んでいた。



騒がしかった車内が
一気に凍り付く。


「ヒョンそんなに怒ってるの?
ごめんなさい…」


「やっ違う、違うよ!!
ただ驚いただけだから!!
気にしないで!!」


「ヒョン……」


「あ〜じゃあ、気を取り直して
今日のレッスン頑張るぞぉ!!」


イトゥクは元気な声で
場を和ませた。


深く溜め息を吐く。
触られなくて良かったと
どれだけ思ったか。
でもキュヒョンに
怒鳴っちゃったよ…


いつかとは思ってたけど
こんなに早く来るとは、もう
恐ろしいとしか思えない…


いつもだったら車内で
爆睡してしまうのに
寝れるはずがない。







スタジオに着くとみんなは
さっそく練習を始めた。


いつものように激しい
ダンスをする。
みんなの振り乱れる髪を
見て僕は明らかに引いていた。

いつものように踊れない…
僕はカバンの中からタオルを
取り出して頭に巻いた。


「これなら平気だろ」


そう呟くと、隣でしなやかに
踊るウニョクが目に留まった。


そして目が合うとニコニコ
しながら近づいてきた。


「ヒョン聞いてよ!
俺鳥飼いたくてさ、悩んでる
んだよね。やっぱシンプルに
インコかな?それかフクロウ
も良いし、かっこよくいくなら
鷹もいいよなぁ〜。
ヒョンなら何選ぶ?」


「僕なら…」


そう言いかけると遠くの方から
突然、「ハゲ鷹ーーー!!」と
シンドンが叫んだ。


一瞬心臓が飛び出るかと
思った。




『あんにゃろぉ…!!』


頭の中でシンドンをぶん殴る
想像をする。

こんな事がこれから頻繁に
起こると思うと生きた心地が
しないよ…









イェソンの闘いはつづく

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