SS(本)

□女装ウイトリと女性用下着な蒼葉
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「ん、…っ、は…っ」

ウイルスは短いキスを何回も繰り返して、時折舌先でペロっと唇を舐めてくる。
少しずつ蓄積されていく温もりと感触に我慢出来なくて、結局、最後は蒼葉から唇を開いてウイルスを受け入れてしまう。
するとそれまでの丁寧な動きが嘘のように、めちゃくちゃに口内を舐め回された。
我慢していたものをぶつけられるみたいに。
だらだらっと二人の唾液が交じり合ったものが口元を濡らして零れていく。

「ん、んっ!」

トリップは最初から、全力で食いかかってくる。
本当に食らうみたいにむちゃくちゃに唇を貪ってくるので、いつも最初から口元が唾液でベトベトになった。
でもそれを繰り返されて蒼葉の意識が朦朧とし始めた頃、トリップは思い出したように優しくなる。
零れた唾液を丁寧に舌で拭って、優しくそっと、唇と舌に触れてきた。

「蒼葉さん」
「蒼葉」
「ふっ…う…」

随分長い間、唇を交わしていた気がする。
けれど最後の方は、もうどっちがどっちのものかなんて分からなくなっていた。
いつもそうだ。途中で意識が薄れて、わからなくなってしまう。
ただ熱いことしか。
だから、キスは苦手だ。
必死に保とうとしている自分を、こんなにも簡単に崩してしまうから。

「蒼葉さん。ほら、触って」
「っ!」

けれど、キスでぼんやりとしていた意識はすぐにハッキリと戻ってきた。
ウイルスに手首を掴まれ、それをヒラヒラしたフリルのたっぷり付いたスカートの中へ持っていかれたせいで。
スカートの中、もう熱くなっているウイルスのものを触らせられる。スリスリと擦るように。
ウイルスなのに。男なのに。フリルで。スカートの中で。
全く訳のわからない状況に、蒼葉の顔がかぁっと熱くなった。

「わかります?蒼葉さんにすごく欲情してます、俺。おかしい?」
「だ、から…っ、おかしいって言ってんだろっ!」
「蒼葉さんに触れたら、俺、もっと興奮します」
「っ!」

ウイルスの指が蒼葉の頬に触れて、何かを確かめるみたいにゆっくりと、ねっとりと蒼葉の肌を撫でていく。
首、胸、腹、腰。
そしてまだ萎えたままの蒼葉のそれに触れると、ウイルスの言葉通り、蒼葉が触れていたウイルスのそれは一層熱く硬くなった。

「ハハ、すげー絵面」
「フフ、結構楽しいよ。ね?蒼葉さん。ナイスバディのナースも診察してあげれば?」
「蒼葉ー。俺とも遊んでくれる?」
「ひ…っ」

パッツンパッツンのナース服を着たデカイ男が足元から迫ってくる図は、中々の恐怖感だ。
思わず逃げ腰になる蒼葉の腰を掴んで、トリップはまた蒼葉の唇を奪った。
そのまま、ぐり、とスカートの中の己の股間を蒼葉の膝に押し付ける。
熱く昂ぶったそれを伝えるみたいに。

「はは、確かにすごい絵面だな」
「録画しときゃ良かったかね?これ」
「ふふ、かもね」

メイドとナースの格好をした大男が、二人掛かりで男を襲う光景など中々ないだろう。
予想以上の光景にたまらず噴き出した二人だったが、肝心の蒼葉は結局未だに不機嫌なままだ。
ウイルスとトリップは目を合わせてまた肩を竦めた。

「ああ、でもね蒼葉さん。残念なお知らせがあるんです」
「あーそうそう、残念だったね」

言葉の通り残念そう表情をした二人が、何故か蒼葉の目の前で膝立ちになってゆっくりとスカートをたくし上げていく。
まるでストリップのショーみたいに、少しずつ露になっていく脚。
こんなもの見たくないのに、身構えながらもついつい視線が囚われてしまう。
そしてスカートの下から出てきたのは、何ということはない、二人がいつも穿いている男ものの下着だった。
蒼葉から疲れた溜息が漏れる。こんなものをうっかり見つめてしまった自分を呪いたい気分だった。

「本当はちゃんと下着まで用意してたんですけど、残念ながら俺達少しサイズが合いませんで」
「いつものまんまー。ごめんな蒼葉」

むしろ、今度は二人が女性用の下着を意気揚々とはいている姿を想像してしまって吐き気を感じる。
思わず口元を抑えた蒼葉の前に、二人が出してきたもの。
それを見て、蒼葉は硬直した。

「でも、蒼葉さんならはけるんじゃないかと思って」
「持ってきた。どっちがいい?蒼葉」

ウイルスが手にしているのは、布地の薄いスケスケの黒いセクシーランジェリー。
トリップが手にしているのは、ひらひらのレースがたっぷりついた愛らしい白い下着。
もちろん、女性用。しかもお揃いのブラジャー付き。
蒼葉の顔がまた赤くなって、キツク、二人を睨み付けた。

「ふ、ふざけんなお前らっ!俺は男だ!」
「そんなことわかってますし、ふざけてもいませんよ」
「大真面目」
「これを着たらね、きっと蒼葉さんもわかると思うんです」
「俺達が蒼葉にコーフンすんのが、おかしくないってね」
「何、言って…っ」

嫌な予感がして、後ずさる。
けれど、トリップに後ろから抱かれるように身体を拘束されて脚をウイルスに掴まれしまうと、もう何も出来なかった。

「ほら蒼葉さん、どっちがいい?選んで下さい」
「白だよな、蒼葉」
「俺は黒の方が蒼葉さんに似合うと思いますね」
「ふざけんな!どっちも、嫌だっ!」

断固として拒否の姿勢を示すと、二人が口元だけで笑う気配がする。
ますます濃くなる嫌な予感に、蒼葉の体がざわついた。

「ふふ、そんな我侭言うと…どっちも穿かせちゃいますよ?蒼葉さん」
「何?もしかしてどっちも穿きたい感じ?蒼葉」
「ち、ちが…っ」

違う。嫌だ。こんなこと。
けれど今までの経験上、ここでどっちか選ばないともっと酷いことになることも蒼葉は理解していた。
こうなった二人に、自分の意思なんてもうどうやっても通らないことを思い知らされている。
蒼葉は悔しげに唇を噛みながら、二人が手にしている二つの下着を見比べた。
やっぱり嫌だ。どっちも嫌に決まっている。
でも、まだセクシーさを強調している黒色の方がマシな気がした。
如何にも女子っぽい白の下着を穿くならまだ、こっちの方が。無理やりの消去法だ。

「黒ですね。さすが蒼葉さんはお目が高い」

蒼葉の目線で理解したのか、ウイルスが手に持つ黒の下着をひらひらと揺らして嬉しげに笑った。
トリップが蒼葉の肩に顎を置き、白の下着を降ろしながら残念そうにぼやく。

「白のが絶対蒼葉可愛いのに」
「じゃあ早速、お着替えしましょうか」

ここまで来てしまうと、本気で抵抗するのもバカらしくなってくる。
というか、この二人に抵抗したって無駄なことも、もう知ってしまっているし。
いつもこうだ。最初はとりあえず抵抗してみるけど、結局、いつの間にかどうでも良くなって二人の為すがままになる。
諦めが肝心。なんて今一番耳の痛い言葉だ。
やけに手馴れた手付きでブラジャーのホックを噛ませてくるトリップと、パンツを丁寧に脚に通してくるウイルスを見ながら蒼葉はぼんやりと考えていた。
でも諦めても、羞恥がなくなる訳じゃない。

「ああっ、想像通り。とっても良く似合ってます。蒼葉さん」
「んー。こうやって見ると黒も結構いいね。蒼葉セクシー」
「…っ」

女性用の下着を身に着けた己の姿が情けなくて恥ずかしくて、顔の赤みを止められなかった。
うっとりと瞳を緩めるウイルスが、コイルを起動してシャッターを何度も切る音。
トリップが後ろから蒼葉ポーズポーズとか余計なことを言ってきて、無理やり足を開かされてポーズを取らされる。
やっぱり、本気で抵抗した方がよかった。これは耐え難い屈辱だ。
後悔先に立たず。ああ、耳が痛い。

「スケスケで中が丸見え。すごくいやらしいです、蒼葉さん」
「パット入ってるから、なんか蒼葉におっぱいあるみてぇ」
「ん…っ!や、めっ」

ようやく写真を撮りを終えたらしいウイルスが、恍惚と蒼葉の太股の内側を撫でてくる。
ウイルスの言う通り、薄い布地のせいで下着の中の蒼葉のそれは薄っすらと丸みえだった。
女子用の狭い下着の中に、みっちりと埋もれる男の証。
蒼葉のものは未だ萎えているというのに、窮屈な下着は既に膨らみを帯びてしまっている。酷い羞恥だ。
トリップの指が後ろからブラジャーの隙間に忍び込み、肉のない蒼葉の胸をむにむにと揉んでくるもの更に蒼葉の羞恥を煽っていた。

「本当によく似合ってますよ、蒼葉さん。…男なのに」
「うん、似合ってる。女みてーに」
「っ!」

まるで、当て付けみたいな。
二人のわざとらしい言い方に、蒼葉の苛立ちが羞恥を越える。

「お前らっ、むかつくっ!」
「フフ、もういっその事女になってしまえばいいんじゃないですか?」
「そうだな。そうすりゃ可愛いって言われていらつくこともねーし」
「どうです蒼葉さん。すごくいい案だと思いますけど」
「頭いーだろ、俺達」
「ふざっけんな!あ…っ!」

やっぱりこんなこと嫌だやっていられないと、下着を脱ぎ捨てようとした蒼葉の腕をトリップが掴む。
顔を無理やり上げさせれて、そのままキスをされた。またむちゃくちゃに唇を食われる。
トリップの代わりのように、ブラジャーの中に入り込んできたのはウイルスの指。
快感を与えるように的確に、乳首をクニュクニュと押しつぶして来る。
ウイルスにベロリと首筋を舐められながらコリコリと乳首の先端を弄られると、甲高い声がトリップの中に漏れて太股が痙攣するように震えた。

「なれるよ、蒼葉。胸いじられてこんな感じる男なんて、なかなかいないんじゃね?」
「脚もこんなに震わせちゃって、そんなにいい?蒼葉さん」
「蒼葉はー、こうやって乳首引っ張られながらクリクリされんの好きなんだよなー?女みてーに」
「うる、せ…っ、あ、あっ!」
「ホントだ。蒼葉さん、女みたい」

こんなこと言われて悔しいのに。
トリップの言葉通りに乳首をきゅっと引っ張られながらクリクリと弄られると、体が震えるのを我慢出来なかった。
今度はトリップの両手をブラジャーの中に突っ込まれて、耳を甘く噛まれながら胸を弄られる。
少しずつ下半身が窮屈なっていく感覚に蒼葉は焦っていた。
元々女子用であるそこにギリギリで収まっていたのに、反応なんてしたら駄目なのに。
脚を左右に押し開いて撫でながら、ウイルスが蒼葉の太股の内側をちゅうっと唇で吸い上げて笑う。
いやらしく膨れ上がっていく、蒼葉のそこを見つめて嬉しそうに。

「やっぱり、蒼葉さんには素質があるんですよ」
「そ。女になれる、素質がね」
「う、るせ、黙れっ!俺は、男…だっ!」
「でもあんまり気持ちよくなっちゃうと…その男に戻っちゃいますよ?蒼葉さん」
「っ!触んなっ!!」

ウイルスの指が、そっと蒼葉の昂ぶりに触れる。
ここから出たいと、キツそうに下着を押し上げるそれに。
無理やり収まっている袋の部分を揉むようにむにゅむにゅと触られると、ぞくぞくして更に熱く膨れ上がってしまう。
窮屈さに、蒼葉が眉根を顰める。

「ハハ、蒼葉キツそー。はみ出ちゃうんじゃね?」
「フフ、このままじゃ男だってバレちゃいますよ。蒼葉さん」
「やめ…っ、ん、く、そ…っ、あっ!」

でも、トリップに首筋を吸われながら乳首をぎゅうっと強く捻られると、体が言うことをきかなくなる。
じんじんと痛む中に感じてしまう、快感。
それを更に煽る様に、ウイルスが掌でぐにぐにと昂ぶりを押す様に全体を撫でながらキスしてくる。
ちゅっちゅとまた小刻みに熱を与えられて、ウイルスの手を押し返すみたいに熱が昂ぶる。
掌で直接それを感じて、ウイルスが蒼葉の至近距離で笑みを浮かべた。

「でもね、そんな蒼葉さんもやっぱり可愛いです」
「蒼葉可愛い」
「ん…っ」

思い出したようにまた可愛いなんて言われてムカツク。
ムカつく、のに。何故か全身がぞくぞくした。
それから封を切ったように、二人は蒼葉の全身にキスしながら可愛いを繰り返した。
キスされた場所場所が熱を持って、蒼葉を溶かしていく。
トリップが最後に辿り着いたのは涙の溜まった蒼葉の瞳で、ちゅうっと涙を吸い上げた。
ウイルスが辿り着いたのはふるふると下着を押し上げる蒼葉の昂ぶりで、我慢できずに染み付いているそこを、下着の上からちゅうっと吸い上げた。

「蒼葉さんやらしい。もう我慢できないです」
「俺も」

ベロリ、と乾いた唇を舌なめずりして。
二人が蒼葉の前で立ち上がって、またスカートをたくし上げる。今度は、下着を下げながら。
ずっと隠れていた、まるで凶器のように昂ぶったもの。
女装のせいだろうか、それがいつもより恐ろしいものに見えた。

「これで女にしてあげますね。蒼葉さん」
「蒼葉、嬉しい?」
「ふざけっ…な、あっ!」

ウイルスの言っている意味を理解して顔を赤らめる間もなく、どろどろっと冷たいローションを体にぶちまけられた。
すぐに二人の両手が、それを蒼葉の全身に塗りこめるようにぬるぬると至る所を撫でてくる。
ローションのどろどろを感じると、嫌でもこれからのことを想って余計に体が熱くなった。
また蒼葉の後ろに戻ったトリップのものをぐっと尻に押し付けられると、思わず声が漏れる。

「そんな物欲しそうな可愛い顔すんなよ、蒼葉」
「して、ない…っ!」
「そうですか?蒼葉さんの体も、こんなに物欲しそうなのに」
「んなこと、あ…っ!」

ウイルスに、脚の付け根から思い切り脚を持ち上げられて広げられる。
それをトリップに渡すと、ローションをたっぷりと纏ったウイルスの指が、今度は蒼葉の下着の下へ潜った。
そのまま、ぐりゅっといきなり中に指を入れられる。ローションのような潤滑剤があれば、蒼葉の体はいつでも簡単に二人を受け入れた。
くちゅくちゅと中を擦るように掻き回されると、異物感よりもすぐに快感が大きくなってしまう。

「は…っ、あ…!」
「ハハ、蒼葉の声可愛くなったー」
「フフ、蒼葉さんはここ弄られるとホントにすぐダメになっちゃうんだから」

すぐに指を二本に増やして、ぐちゅぐちゅと卑しい音を立てながら指を出し入れする。
その度に指に吸い付くようにきゅうっと締め付けてくる蒼葉の感触に、ウイルスははぁっと熱い息を吐いた。
暖かくて柔らかい蒼葉のこの感触は、体に毒だ。己の熱がスカートを押し上げる気配がする。
トリップも我慢出来ないみたいにまた蒼葉の唇を貪り始めていた。ぐりぐりと己の熱を蒼葉の腰の辺りに擦りつけながら、脚を抑えている腕の先で、乳首をまたぐにぐにと摘みあげて。
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