SS(本)

□トリ蒼でAVを見る(R18)
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「男のちんこしゃぶってこんなにしやがって…この変態が」

これは、蒼葉が今出来る限りのトリップへの辱めだった。
トリップを蔑む目で見下ろして、蔑むような声で言った。はずだ。
画面の中の男は女のそこを舐めて勃たせているというのに、トリップは男のものを舐めてこんなにしているのだ。
それをこんな風に指摘されて恥ずかしくない訳がない。蒼葉はそう思った。
それなのに、それを言った自分自身が今恥ずかしさを感じ始めているのはどうしてだろう。
じわじわと込み上げてくる羞恥を、蒼葉は必死に顔に出さないように堪えた。

「んっ!?」

けれど、トリップを蔑む蒼葉の表情はすぐに崩された。
トリップのものが、何故か手の中で余計に大きくなったのだから仕方ない。

「お、お前っ……本当はどエム?」

自分で仕掛けておいて退き気味の蒼葉に、トリップは肯定とも否定とも言えない笑みをただ浮かべた。
そのまま、蒼葉を自分の腕の中に引き寄せて耳に唇を寄せる。

「蒼葉の前でだけは、それでもいい」

よくわかんねぇけど、今のすげぇきた。
と囁いてくるトリップの息がひどく熱く感じて、蒼葉の体まで熱くなる。
手を握られ、もう一度トリップの熱を触らされた。やっぱり、熱い。
そのままそれをゆるゆると扱くように動かされて、蒼葉は自分の顔がかあっと熱を帯びるのを感じた。

「ね、蒼葉も舐めて」

キスしながらねだるような声。
自然と蒼葉の顔がトリップの足の間へと降りていく。
スクリーンの中でも、同じように女が男のそれを口にする体勢。
どうしてこうタイミングが悪いのか。
けれど画面を見ないようにして、蒼葉はトリップを下着の中からひきずりだした。
完璧に熱くなっている男のそれなど、ただグロテスクなだけのはずなのに、何故か。
蒼葉はそれを見て熱い息を吐き、体がグズグズと疼くのを感じた。

「ん…っ」

トリップのそれをいきなり咥えるのは辛い。
蒼葉は根元からそろっと舌と唇を這わせて、先端まで辿り着くと舌先をちろちろと動かした。
そうしている間に、トリップの髪と同じ色をした陰毛を手の平で撫でる。
舐めている最中にこうするのが、いつの間にか蒼葉の習慣になっていた。
流石にぽわぽわな感触とは言えないけれど、この金色の毛束をこうして撫でていると妙な愛おしさが沸いてくる気がした。

「は…っ」

先端を浅く口に含んで根元を扱きながらちゅっと吸い上げてみる。
口内に先走りの味が広がって、蒼葉が覚える感情は歓喜だ。
いつからか解らないけれど、前は嫌悪しか抱かなかったこの行為に別の感情が混ざるようになった。
男のものをこんな風に口にして歓喜とか愛おしさとか、自分はどうにかしてしまったんだろうと毎回思う。
でも、トリップが感じている。その事実が嬉しいのだ。

「ん…」

髪を柔く撫でられて、蒼葉はトリップのものを握ったまま視線だけを上へ上げる。
次の瞬間、わずかに蒼葉の眉間に皺が寄った。
てっきりまた楽しげなトリップと目が合うとばかり思っていたのに。
トリップの視線が、自分ではなくスクリーンへ向かっていた。画面の女性を、じっと見ている。
苛立ち。蒼葉の心に走ったもの。
どうして、こんなことで苛立ちなんて感じてしまう自分がいるんだろう。
そんなこと認めたくないのに湧き上がった苛立ちが抑えきれなくなって、気付いた時には、蒼葉はトリップの先端に軽く歯を立ててしまっていた。

「っつ!」

急に走った痛みに少しだけ眉を顰めたトリップの視線が、蒼葉へ戻ってくる。
しかしいざこうなってしまうと無性に気まずくなって、蒼葉は咄嗟に視線を逸らしてしまった。
こんな幼稚で面倒くさい自分、今更嫌になってくる。

「怒ってんの?蒼葉」
「別に怒ってなんかねーし」
「そ?あー…」

少し思案した表情をした後、トリップは蒼葉の体を抱き上げ引き寄せた。
至近距離に寄ったトリップの唇が、薄い笑みを作る。

「妬いちゃった?」
「っ!」

そこで違うと言えば良かったのに、何故か赤くなる顔と何も出てこない口。
本当に、こんな自分が嫌で仕方ない。
たまらず逃げだそうとした体を強く抱きしめられたあと、また反対側に押し倒された。
乱雑に唇を食まれながら。

「そんな可愛い顔すんなよ蒼葉。本当は映像と合わせて一緒に挿れたかったのに、我慢できなくなる」
「ん…っ!?」

吐息混じりで掠れた声。
言葉通り焦った手つきで、トリップがベッドサイドからローションのボトルを手に取る。
それをだらだらと垂らして己の指と蒼葉の股間を濡らし、早急に蒼葉の中に指を押し込んだ。
ぬるり、と指の一本や二本、蒼葉は造作なく飲み込んでしまう。

「あ、は…っ、トリ…ップ…」

蒼葉の声に応えるようにキスをして、熱い場所を広げるようにゆるゆると指で中を掻き回す。
蒼葉の尻の感触を楽しむように揉みながら。
もう既に、蒼葉はの声は熱を孕んで掠れていた。

「蒼葉ん中、熱くてびくびくしてる。どろどろ」
「ふ…言う、な…っ」
「あ、今きゅうって俺の指締め付けた。ほらまた」
「は…っ」

恥ずかしい。けれど感じてたまらない。快感にゾクゾクする。
己の顔がひどく熱を持っていることを感じながら、蒼葉は言葉通りにトリップの指をきゅうきゅうと締め付けていた。
何かを、欲しがるみたいに。
トリップがぺろ、と自分の唇を舐めてそれを蒼葉の耳元へ寄せる。

「蒼葉、欲しい?」
「んっ!」

ローションを塗してどろどろにした熱い先端を、スリスリと蒼葉の入り口へ擦りつけた。
そこへ入らないように気を付けて、何度もぬるぬると転がす。熱い先端から根元まで、何回も。
蒼葉の体がビクビクと震えて、表情が変わっていく様を楽しみながら。

「あおばー、な。これ、欲しい?」
「ン…っ、あ!」

熱い質量を持ったそれで擦られる度、快感が体を走って声が漏れる。
それのことしか考えられなくなる。でも足りない。こんなんじゃ。
もう、足りない。
蒼葉はこれ以上我慢など出来なかった。
欲しい、欲しい。トリップが欲しい。

「…い……よ…っ」
「なに?聞こえない」

やっぱり恥ずかしい。
けれど、トリップの先端でグリグリと入り口を押されたら我慢出来なかった。
それが、早く欲しい。
ぎゅっと、蒼葉の拳が握られる。

「トリップがっ、欲しいって言ってんだよ!」

半ば自棄になって叫んだ。
その言葉にトリップが嬉しげに笑って、また耳元に唇を寄せてくる。
俺も蒼葉が欲しい。
その言葉が体中を巡って、蒼葉の先走りがぼたぼたと零れた。

「ん、あ…あッ!」
「蒼葉…っ」

一気に、熱い塊に貫かれる。
ずぶずぶと太い熱に中を押し広げられて擦られて、強すぎる快感に眩暈がする。
ゴリ、と最奥を突かれて更に溢れそうな声を我慢しようと、蒼葉が思わず自らの手の甲をを噛もうとする。
けれどその腕ををトリップに掴まれ、背中へと回された。

「だーめ。手はこっち。あと、噛むなら俺噛んで?」

トリップの肩が噛める位置に来るほど、強く強く抱きしめられた。
そしてそのまま熱を引き抜かれ、またぐっと最奥まで貫かれる。それの繰り返し。
気持ちいい。耐え切れない。自分の腹が自分の先走りでどろどろと汚れていく。
蒼葉は言われた通りにトリップの肩を噛んで、ぎゅうっと強くその背中を抱き返した。
蒼葉の中にある熱が、一層熱くなった気配がする。

「んっ…やっぱおまえっ、どえむっ」
「かもね。嫌?」
「聞くなっ…カバっ!」

ああ可愛い。
トリップは真っ赤になった蒼葉の前髪をそっとかき上げてその熱い顔中にキスしてから、唇を吸った。
もうこれ以上我慢出来そうもない。
これではまるで経験の少ない未熟者か早漏癖の男のようだ。
今まではこんなことなかったのに、蒼葉に関しては未だに堪え性のなくなる自分がおかしくてトリップは笑った。
でも悪い気はしない。

「蒼葉、もっとぎゅってして」
「ん…っ」
「一緒にイこ?」

トリップの言葉に、蒼葉がキスで返す。
恥ずかしくて顔は見れないので、すぐにまたトリップの肩に顔を埋めた。

「蒼葉…っ、は…」
「んっ、あ…ッ!」

強く、早く、奥まで。熱を思い切り打ち込まれる。
何度も何度も。蒼葉を壊そうとしてるみたいに。
その度蒼葉の視界はスパークして、全身が快感に支配された。

「蒼葉…蒼葉…ッ」
「あ、あ…ッ!トリ、ップ!ああっ!」

トリップの指に昂ぶりを包み込まれて、扱かれる。
体が少し離れて、目と目が合う。
熱に融けたトリップの目にはもう自分しか映っていない。
ぐっ、と奥を強く突かれて、中に熱いものが弾けたのを感じた瞬間。
蒼葉もトリップの手の中に熱を吐き出した。
もう何も考えられなかった。目の前にいる、トリップのことしか。
二人は最後に、ゆっくりと触れるだけのキスをした。
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