SS(本)
□トリ×蒼×ウイ(R18)
2ページ/2ページ
「じゃあ早速いっちゃう?あおば」
ベッドに仰向けになったウイルスに覆いかぶさるように蒼葉が乗りあげてくる。
正確には、そうなる様にトリップが更に蒼葉に覆いかぶさっていた。
蒼葉に上から見つめられる。
これが騎乗位じゃなくて、今から突っ込まれるとは本当にどういうことなんだろうか。
ウイルスは改めて頭を抱えたい気分になったが、自分の上で必死な形相をしている蒼葉を見たらそんな気分も吹き飛んだ。
蒼葉の息は興奮で乱れて、下肢はさっきよりも硬く反り返っている。先走りで先端をぬらぬらと光らせて。
自分のあんな様をずっと見つめていた結果がこれなんて、本当に可愛い人だと思う。
「そんな顔して。そんなに俺にいれたかったんですか?蒼葉さん」
「…んっ」
下から手を伸ばして蒼葉の頬を撫でると、蒼葉が身震いして先走りをぽたぽたとウイルスの腹に零した。肯定するみたいに。
それがやっぱり可愛くて、加虐心をめちゃくちゃに煽られる。
「じゃ、いつもみたいにちゃんとおねだりしてからならいいですよ」
「蒼葉ーやらしくおねだりできるよな?」
「う…っ」
もう何回も強要しているのに、未だにこうして恥じらいを見せる姿が本当に愛らしくて、興奮させられる。
二人が同時にごくりと喉を鳴らした。
頬を真っ赤に上気させながら、蒼葉の戦慄く唇が開かれていく。
「あ、蒼葉のちんぽ、ウイルスにいれさせてください…っ」
耳まで真っ赤にしながら、いつもと真逆の台詞を吐く蒼葉もなかなかに新鮮でいいものだ。
二人は視線を交わして同じ感情を共有した後、上下から蒼葉を抱きしめた。
「突っ込む側なのにそんなこと言うなんて、蒼葉さんは困った人ですね」
「こっち側でも蒼葉はかわいーのな」
「んっ!」
下から、ウイルスが蒼葉にキスをする。薄く開いた唇から蒼葉の舌を誘い出して思い切り吸い上げた。
上からはトリップが蒼葉の耳にキスして舐め上げる。
蒼葉の昂ぶりがウイルスの後ろに当たるように体を押しながら。
「ほら、このまま蒼葉の入っちゃう」
「ん、あっ!」
そのまま、すりすりとウイルスの入り口に蒼葉のものを擦り付けるように動かす。
しかし蒼葉だけじゃなく、蒼葉の舌を執拗に吸っていたウイルスも表情を歪めた。
「ん?ウイルスも感じてる?」
「これが感じてる顔に見えるか?早くしろよ」
「ウイルスってば早く蒼葉の欲しいんだって。淫乱だな」
「お前っ…」
ウイルスに文句を言われることを回避するように、トリップが蒼葉の腰を更に押した。
蒼葉の硬くなった先端が、ぐぐ、とウイルスを強く押し開く。
「あ…っ!」
「っ、」
久しぶりに直に感じる肉の暖かさに蒼葉が大きな声を上げ、初めてそこを開かれる感覚にウイルスはたまらず唇を噛み締めた。
「いけそ?ウイルス」
「問題、ない…っ」
「大丈夫だって。よかったなあおば」
しかし指とは比べ物にならない圧迫感に、ウイルスは息を詰まらせていた。これは慣れるまで少し時間がかかりそうだ。
そんなウイルスに気付いてるのかいないのか、快感に打ち震えている蒼葉を押すトリップの動きが穏やかになる。
蒼葉のものが、ゆっくりゆっくり、時間をかけてとウイルスの中へ溶けていく。
「あっ、ああっ!あっ!あー!」
「すげー、ウイルスの中に蒼葉が入ってく」
己が、狭くて熱い場所にどろどろに溶けていく感覚。強い快感を伴いながら。
我慢など出来ない嬌声をはしたなく上げ続けながら、蒼葉は全てをウイルスに埋めた。
「はっ、いいですか?蒼葉さん…っ」
圧迫感に多少慣れてきたウイルスが、また頬を撫でながら問う。
蒼葉は喘ぎながらそれにコクコクと頭を振ることしか出来なかった。
確かに犯されている立場なはずなのに、その蒼葉の様を下から眺めるウイルスは蒼葉を犯しているような気がしてならなかった。
入れられるなんて屈辱だと思っていたけれど、こうして快感に歪む蒼葉を見ていると支配しているようで心地よい。
いつもと同じ高揚感が、ここにある。
「蒼葉の全部入っちゃったけど、どんな感じ?」
「…良くはないな。蒼葉さんだから我慢してる」
「そんなこと言ったら蒼葉可哀想」
「こんな気持ち良さそうにしてるのに?」
ただ、どう考えてもウイルスに快感はなかった。異物感が完璧に消えることはないし、苦しいし鈍い痛みまである。
けれど、自分の中に入ってこんなにも快感に溺れている蒼葉を見れば我慢出来た。
もしかしたら自分は意外と尽くすタイプなのかもしれない。いや、やっぱり狂っているだけか?
「俺の処女、一生大切にしてくださいね蒼葉さん」
そんなことを考えていたら何だかおかしくなってきって、ウイルスは蒼葉に顔を寄せてキスしてから笑った。
「…ウイルスきも」
「うるさいよ」
「じゃあそろそろ俺も混じっていい?」
「どうしましょうか、蒼葉さん」
なんておどけてみるも、結果はもう決まっている。
己の唇をぺろりと舌で濡らしてから、トリップは蒼葉の腰を強く掴んだ。
「う、ああ…っ!」
ドロリと、たっぷりローションをまぶして。
既に完成されていた凶器でトリップは一気に蒼葉を貫いた。
腫れている蒼葉のそこはヒリヒリ傷むのに、あっさりとトリップを受け入れて喜んでしまう。
トリップに暴かれる快感と甘い痛みが交じり合ってゾクゾクと蒼葉の背筋を走っていく。
「蒼葉さんの、俺の中でビクビク震えてますね」
「まじで?蒼葉、俺のいーんだ?」
「はっ、そなっ、あ…っ」
ウイルスの中に溶けたまま、トリップのものを中で溶かされている。
前から後ろから、上から下から全てを快感に支配されていた。快感が逃げる場所を失って、体中で暴れまわっている。
壊れてしまいそうな程のそれに、蒼葉はウイルスにしがみついて荒い呼吸だけを繰り返した。
「なぁ、前も後ろも気持ちよくてどんな感じ?蒼葉」
「はっ、は…っ…」
「言葉にならない位いいみたいですね」
蒼葉の呼吸を少し落ち着かせてから、トリップがまた強く腰を掴む。
これからの予感に、蒼葉が顔色を変えた。
「や、やだ!トリ…ッ」
「もう待てねー。動くよ?蒼葉」
「蒼葉さんも動いていいですよ?」
「あっ、ああああっ!」
トリップにぐっと最奥を突かれて息が詰まったと思えば、すぐに一気に引き抜かれる。それを何度も繰り返される。
熱い塊に中をぐちゃぐちゃに掻き回される感覚。それがたまらない快感になる。体中がゾクゾクして何も考えられなくなる。
トリップの動きにつられるように、蒼葉もウイルスの中を掻き回した。ウイルスの狭い入り口で、熱を絞りとられるように思いきり締め付けられる。
「う、あ、ああ…ッ!」
二重になった快感に襲われる。支配される。
処理しきれないそれに、気が狂ってしまうんじゃないかと思った。
「は…っ、俺の中、いいですか?蒼葉さん…っ」
「俺のもいいよな、…蒼葉っ」
「ひっい!あああああっ」
もう訳がわからなかった。気持ちよすぎて、何も考えれらない。これしか。
溶けていく。どろどろに。溶かされる。
蒼葉は快感に泣いた。涙、汗、涎、鼻水、全てで泣いた。
「フフ、蒼葉さん酷い顔。可愛い」
「は、ハ…ッ」
ボタボタと蒼葉から落ちてくる大量の雫を受けて、ウイルスが嬉々として笑む。
快感に歪む蒼葉の顔が愛おしくて、それを引き寄せ唇を貪った。
初めて見た気がする、こんなに醜くて美しい蒼葉の顔。充分な褒美と言えるだろう。
「俺も見たい。可愛い蒼葉」
蒼葉の顎に手をかけようとするトリップを、ウイルスがすぐに追い払う。
「ダメだ。これは身を削ってる俺だけの特権だからな。あーすごく可愛いですよ蒼葉さん」
「む…」
蒼葉の顔が見たくて仕方ないものの、実際身を削らせてしまった手前どうにも反抗しにくい。
ウイルスのわざとらしい当て付けに、トリップは不満げに唇を尖らせた。
その苛立ちをぶつけるように、再び蒼葉を突き上げる。泡だったローションがぐちゅっと飛び散った。
「あっ!うああっ!」
「じゃ、蒼葉のいいとこいっぱい突いてあげる」
「やっ、も、やめっ、ああああっ!」
それは喘ぎ声というより叫び声だった。
そんな蒼葉に追い討ちをかけるように、ウイルスが蒼葉の律動にあわせて締め付けてくる。
余裕の出来た体を起こし、蒼葉の乳首を甘く噛み上げながら。
「ひっ、あ!や、…あっ!」
「蒼葉、イっちゃう?」
「いいですよ、蒼葉さん。俺の中に出して」
「はっ…あ、ああっ!」
結局、こんな形でもいつものように蒼葉は二人に責められていた。
肉欲の波。
今はこれ以上のもなんて知らない。これが今の蒼葉の全て。
突き破られるんじゃないかと思うほどに突き上げられて、千切れるんじゃなかと思うほどに締め付けられて。
蒼葉は確かに、最高の快感を見た。
「あ、ああああっ!!」
「ん…っ」
蒼葉とトリップが同時に震える。
そして次の瞬間、蒼葉はウイルスの中に。トリップは蒼葉の中に。快感を爆ぜた。
「っ、」
蒼葉の熱を中で感じて、ウイルスが小さく呻く。
初めてこの形で感じる蒼葉の生。
中で出されるなんて男にとって屈辱以外の何者でもないと思うが、蒼葉なら別にいいかと思える。
射精感に激しく息を乱して倒れてくる蒼葉を抱き止めてその髪を撫でながら、ウイルスは瞼を閉じて自分の中にある蒼葉を改めて感じてみた。
もし自分が女だったらこれで孕んでいたのかもしれないなだなんて、妙な考えが頭を過ぎる。
蒼葉の体の一部を、今自分は手に入れたのだ。
「はは、勃ってんじゃんウイルス」
「ん?」
トリップの言葉で、ウイルスは初めて己が熱を持っていることに気が付いた。
さっきまで蒼葉の表情に熱くなったり後ろの感覚に萎えたりを繰り返していたが、今は完璧に勃ちあがっている。
これは、蒼葉の挿入によってこうなった訳ではない。
「…トリップ」
「ん?」
蒼葉に挿入された刺激ではなく、蒼葉の生を中で感じたという感覚だけで反応している己に、ウイルスは心底驚いていた。
快感など感じていない。感じたのは蒼葉の生だけ。
そんなことで勃つことがあるのか?
いや、こうして勃っている。
普段は計算機のように物事を高速に処理していく頭が、うまく機能しない。
蒼葉を抱きしめたままウイルスはぼんやりと呟いた。
「もしかしたら、俺は俺の予想以上に蒼葉さんを想ってるのかもしれない」
まさかこんな事で実感することになろうとは。
でも、きっとそういうことなのだと思った。
嫌な気分じゃない。むしろ、何かが晴れるみたいな。
相変わらず上手く機能はしてくれない頭で、確かな喜悦だけを感じる。
体が蒼葉を感じで、喜んでいる。
やっぱりとんでもなく狂っているらしい。蒼葉に。
「……………は?」
長い沈黙のあと、トリップはウイルスの言葉に首を傾げた。
折れるんじゃないかと思うほど傾げた。
「なに?いきなり何言ってんのウイルス。目覚めちゃった?」
「とりあえずお前もケツ出せトリップ。そうすればわかる」
「は?」
未だ何も理解出来ずにぽかんとしているトリップを尻目に、ウイルスが蒼葉を抱いたまま体を起こす。
蒼葉が自分から抜けていく感覚に物寂しさを感じるなんて、やっぱりおかしいみたいだ。
まだ意識の朦朧としている蒼葉に、もう一回できますよね?と囁きながら、萎えてしまっているそれをゆるゆると扱く。
ちゅうっと乳首を吸いながら扱けば、蒼葉の体は簡単に再び火がついた。
「やっぱり俺も蒼葉さんの中で出さないと締まりませんし。ね」
ウイルスが満面の笑みでローションを投げてくる。
それを思わず受け取ってしまい、トリップはもう戻れないことを悟るのだった。
けれど、あの時の蒼葉の顔を自分も見れるんだと思えばいい気もする。
しかし我慢出来ない溜息を盛大に吐くトリップを笑いながら、ウイルスはもう一度ゆっくり、蒼葉に口付けた。
(でも、こういう経験はもう御免です。すみません蒼葉さん)
もう一回戦!END