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□メモ小話まとめ
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日記小話まとめ(〜6/24)


♯1ウイルスが不器用だった場合


「朝ご飯できましたよ蒼葉さん」
「…なにこれ」
「何って、見ればわかるじゃないですか、トーストに目玉焼きですよ」
「この黒い塊が?つか、トーストと卵こんな風にできるって逆にお前凄くね?」
「蒼葉」
「ん?何だよトリップ」
「ウイルスはな、今まで絶対料理なんてしなかったのに、蒼葉が来てから一生懸命料理してんの。こんな料理本まで買って。可愛い奴だろ?」
「うるさいよ。というかそれ隠してたのにいつ見つけたんだトリップ死ね」
「いや可愛いかもしんねーけど流石にこれは…」
「俺に免じて許してやろう?な?蒼葉」
「ってなんでお前も朝食作ってしかも俺が作ったやつの上に皿置いてんだ!俺のよりも明らかに美味しそうトリップ死ね!でも蒼葉さんに可愛いって言われた嬉しい!」





♯2 蒼葉のジャケットを手に入れたウイトリ

「じゃーん」
「お。それ、蒼葉さんがいつも着てるジャケットじゃないか。ブレインナッツの」
「そ。再入荷されてたからとりあえず買っちゃった」
「蒼葉さんにプレゼントか?」
「そーね。…2着あるけど」

「……。」
「……。」

「とりあえず着てみるか」
「うん」

「お前似合わないな」
「ウイルスには一番言われたくねーんだけど」
「でもあれだな」
「うん」
「何かムラムラしてくるな」
「うん」

「とりあえず、これ蒼葉さんにあげるのは保留ということで」
「そだな。それとも俺たちの使用済み、あげようか」
「おい余計ムラムラするようなこと言うな」





♯3 ウイルスの眼鏡

(くそっ、今日も好き勝手しやがってウイルスの奴…!仕返ししてやる…!)

腰を擦りながら悔しさに唇を噛み締める蒼葉の目に入ったのは、ベッドボードに置いてあるウイルスの眼鏡。
それを見て何かを思いついた蒼葉に、ニヤリと悪い笑みが浮かぶ。
ウイルスには気付かれぬように、蒼葉はそっと眼鏡を掴んで後ろ手に隠した。

(眼鏡隠してやる。ざまーみろウイルス!)
「ん、あれ?俺の眼鏡どこにあります?蒼葉さん」
「えっ!?さ〜知らねーな〜?」

早速眼鏡を手探りしながら聞いてくるウイルスに、蒼葉はびっくりする位わざとらしく答えた。
そっぽを向いてひゅ〜♪とか口笛を吹いちゃうあまりにも古典的な仕草からもわかるように、蒼葉に演技力など皆無なのである。

「蒼葉さん」

ウイルスに名前を呼ばれる。
それに自然と反応して声の方に向いた瞬間、蒼葉の唇はウイルスの唇で塞がれた。
それは綺麗に、しっかりと。
キスの最中、ウイルスの目と目が合って蒼葉の鼓動が飛び跳ねた。

「ん…っ!?」
「俺、眼鏡かけてなくても蒼葉さんは見えますからね」

爽やかな笑顔で言われて、固まった後ろ手から眼鏡を取り上げられる。
俺の眼鏡隠して楽しそうな蒼葉さん、可愛かったですけど。
なんていつも通りレンズ越しにニヤつくウイルスの瞳に、蒼葉の顔が真っ赤になった。

「俺…っ、明日からずっとトリップに着いて回るから!」
「え……いやっ、ちょ、何でそうなるんです蒼葉さんっ!!」




♯4 女性用下着と蒼葉

「恥ずかしいですか?蒼葉さん」
「蒼葉、真っ赤になって震えてる。可愛い」

ベッドの上、足を大きく左右に開かされた格好のまま拘束されている蒼葉は言葉通り震えていた。
それもそのはず。
今蒼葉が身に着けているものは下着だけだった。
しかも、薄く白い生地のヒラヒラした女性用の下着だけ。

「やっぱり女物は無理がありますね。蒼葉さんの出ちゃいそう」
「それが可愛い。蒼葉すげぇやらしー」
「だな。まだ萎えてるのにこんなにパンパンにしちゃって」
「っ!触んなっ!」

ウイルスの言葉通り、下着は蒼葉のそれのせいでもっこりと膨れ上がってしまっている。
女子用に作られているものに、萎えているとしても蒼葉のものなど収まりきるはずがない。
酷い屈辱に、蒼葉は耳まで真っ赤にして叫ぶがその声も震えてしまっていた。
楽しげに笑うウイルスとトリップの指が、その場所へ伸ばされてくる。
避けようとしても、拘束された体ではどうしようもない。

「んっ…あ!や…っだ」

トリップの指に柔く袋を摘まれて、むにゅむにゅと揉み込まれる。
ウイルスの指は萎えている蒼葉の茎をゆるゆると撫でた。
下着の上からされているのに、やっぱり快感が走ってしまう。
ビクビクと腰が震えて、熱が一点に集まる気配に蒼葉が焦る。

「ちゃんと我慢しないと、もっと恥ずかしいことになっちゃいますよ。蒼葉さん」
「頑張れよー蒼葉ー」
「も、やめっ…んんっ!」

もう既に下着を押し上げ始めているそれを見つめながら、二人は交互に蒼葉の唇を奪って蓋をした。

「蒼葉さんがあまりにも俺は男だ男だってうるさいので、今日はたっぷり思い知らせてあげますね」
「蒼葉はもう、俺達の女なんだってね」

なんでこんなことをするのかと自分達を見てくる蒼葉の瞳も、二人は唇で蓋をした。





♯5 髪の毛と下の毛

「お前らって同じような髪だけど感触は全然違うよな〜」
「そうですか?」
「へー、どんな風に?」
「ウイルスは柔らかい猫っ毛って感じで、トリップはちょっと硬めっつーか…」
「フフ、それは俺達に触れてる蒼葉さんしかわからない事実ということで、何だか嬉しいですね」
「蒼葉、俺達のことならなーんでもわかるんじゃね?」
「調子のんなっ!」
「ところで、髪は髪でも下の髪はどうなんですかね?蒼葉さん」
「ああ、直接確かめてみてよ蒼葉」
「脱ぐなー!すぐに下ネタ持ってくなお前らーー!」




♯6 下の毛について

「はい。トリートメント終わりましたよ蒼葉さん」
「んー」

浴室。
浴槽の中で半分寝かけていた蒼葉が、ウイルスの声にぼんやりと返事をした。
欠伸をしようとした唇を、ちゅっと軽いリップ音と一緒にウイルスの唇に塞がれる。
シャンプーから始まり、ようやくトリートメントまで終わったようだ。
こうして風呂に入る度ウイルスに髪の手入れをやってもらう訳だが、髪に刺激を与えないようにと丁寧に動くウイルスの指の動きは繊細で心地よい。
気付くと、蒼葉はいつも半分意識を失ってしまっていた。

「蒼葉の髪、綺麗だからすげー好き」

それが終わるのを待ち侘びていたように、蒼葉と向かい合って風呂に入っていたトリップがすぐに蒼葉を引き寄せて後ろから抱きしめる。
シャンプーのいい匂いに、キラキラと光る美しい青色。
蒼葉の耳に何度もキスをして、トリップが幸せそうに目を細めた。

「だから、きちんと手入れしてあげないとね」

蒼葉のために用意した何本ものトリートメント剤とブラシを綺麗に片しながら、自分の手によって綺麗に輝いてる蒼葉の髪を見つめてウイルスが満足げに微笑む。
何時の間にかそんな蒼葉の耳から顔へキスを移していたトリップの視線が、ふと何かに止まった。
そしてそれはゆっくりとウイルスへ移動する。二人の視線が蒼葉を介してかち合った。

「そーいや、こっちは?」
「ん?」

すぐにトリップの言っていることを理解したウイルスが、ああと納得したような声をあげる。
視線を合わせたまま、二人は悪戯っ子みたいに笑った。

「え…っ!?」
「蒼葉ー、ちょっと体勢変えようなー」
「フフ、すぐ済みますからね。蒼葉さん」

半分沈んでいた蒼葉の意識が覚醒した。
それもそのはず、両膝の後ろに手を入れられて足を持ち上げられ左右に広げられたまま、トリップに水上へ体を持ち上げられたからだ。
後ろからトリップに抱かれるように体を固定され、恥ずかしい体勢。
その足の間で、片したはずのブラシを手にしたウイルスが満面の笑みを浮かべている。
嫌な予感がぷんぷんして、蒼葉は息を詰まらせた。

「すみません蒼葉さん。俺としたことが、こっちの髪のお手入れすっかり忘れてました」
「ちゃーんとこっちも綺麗にしてもらわねーとなー」
「ふ…っ!」

ブラシの柔い繊毛が撫でたのは、蒼葉の青色の陰毛だった。
さわさわとブラシで優しく解かされ、蒼葉はたまらずビクビクと腰を揺らして甲高い声を漏らした。
頭の髪と同じ感覚であるはずなのに、違う。それは、ひどく甘かった。

「ちゃんとシャンプーからしてあげないと」
「あ…ッ!それ、やっ、め…っン!」

ブラシが離れていった場所を、今度はシャンプーを纏ったウイルスの指で解かされる。
頭を洗う時と同じ、優しく繊細な手付き。
ゆるゆると、一本一本洗うみたいに丁寧に毛を撫でられていく。
頭の時はそれが睡魔を呼ぶ程に気持ちいいのに、この場所の気持ちよさは全く違う色をしていた。
確かな快感。
腰が恥ずかしいくらいに震えて、声が我慢できない。
嬉しそうな顔をしたトリップに上から唇を塞がれ、その声ごと食まれてしまった。

「蒼葉ー。シャンプーしてるだけなんだから我慢しなきゃダメだよ」
「そう。もし汚れたりしたら、またシャンプーからやり直さなきゃいけませんからね」

俺は完璧主義なんです。と、ウイルスが確実に違う意味を含んだ手付きで蒼葉の青色を混ぜてくる。
少し引っ張ってみたり、その下にある敏感な場所に触れるか触れないかの所を執拗に何度も撫でてみたり。
気付けば、その動きは頭を洗っている時のものとは全く違うものになっていた。
蒼葉の体は、もちろんそれに素直に反応してしまう。
既にふるふると硬くなり始めている蒼葉の熱を見て、ウイルスとトリップの瞳が愉悦に緩む。

「すぐ済むって言ったこと、謝らないといけませんね蒼葉さん」
「のぼせねーように気をつけないとな」

蒼葉と同じように、自分達も熱くなる気配がする。
風呂に浸かっている時よりも熱いそれに逆上せてしまいそうだと、二人は笑った。




♯7 ウイルスのリラックス方法

「おーいウイルスー…って寝てんのか」

珍しく、ウイルスがベッドで一人寝ていた。
耳に蒼葉のヘッドフォンを着けたまま、それは穏やかな表情で。
ヘッドフォンの液晶がピコピコ光っているので、何かを聞きながら寝ているらしい。

「昔から疲れるとよくこうやって外遮断して一人で寝んだよな、ウイルス」
「へー。しっかし随分リラックスした表情してんなー。何聞いてんだ?」
「何だと思う?」
「えー?ウイルスのことだから…クラシックとか?」
「外して聴いてみれば?」

トリップにそう言われると、疼く好奇心を我慢できない。
ウイルスのヘッドフォンに手を伸ばして、蒼葉がそれを少しずらす。
蒼葉は気が付いていなかった。
自分の後ろで、トリップがニヤニヤと笑っていることに。

『あ…ッ、あっ!も、やめっ、ウイル…んっ!』

ヘッドフォンから漏れてきた音。嬌声。
一番聞きたくない、自分の。

一瞬にして蒼葉が硬直する。
そして次の瞬間耳まで真っ赤になって、涙目の瞳できつくウイルスを睨み付けたのだった。

「こんっの……変態眼鏡ーっ!ホント信じらんねえええ!」
「えっ?ちょ、蒼葉さ……ぐはっ」

眼鏡が吹っ飛ぶ程ビンタされ、音源を即没収されたことは言うまでもない。

「なーんて残念でした蒼葉さんー!フフッ、この俺がバックアップを取っていないとでも…?」
「因みに俺もいつでも蒼葉の声聴けるようにコイルにも送ってる。えらい?」
「……うん、とりあえず並んでそこに直れお前ら」





♯8 ウイトリの蒼葉ごっこ

「ウイルスー、蒼葉ごっこしよー」
「嫌だ。お前のやる蒼葉さんデカイし似てないし可愛くないし勃たないし」
「じゃあウイルスが蒼葉やって」
「嫌だ。お前この前めちゃくちゃ笑っただろ。忘れないからな」
「えー。もう笑わないって」
「知らない。というか…」

「さっき蒼葉さんに会ってムラムラしてるから何でもいいんです、ってハッキリ言え」
「わかってんじゃん。つか、ウイルスだってムラムラしてんだろ?」

トリップに噛み付かれるように唇を塞がれる。
対抗するように唇を噛み返しながら、ウイルスはトリップの髪を掻き抱いた。
二人の瞳が燃え始める。
その奥に、ここにはいない誰かを映して。

(ああ、コイツが蒼葉(さん)ならいいのに)
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