SS(本)

□失禁話(R18)
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「あれ?蒼葉急に大人しくなった?」

ベッドサイドのテーブルでショートケーキを頬張っていたトリップが、フォークに刺したスポンジをひらひらさせながら言った。
その正面で紅茶の入ったティーカップに口をつけながら、ウイルスが笑う。

「なったねぇ」

二人は今、優雅な感じでティータイムを楽しんでいた。
両腕を拘束した上、口にはボールギャグを噛ませている蒼葉がベッドで暴れる様を眺めながら。
着せている服は下着と大きめのシャツ一枚だけなので、乱暴に踊る白い脚が美味しそうで艶かしい。
ああ、なんて充実したティータイムなんだろうか。二人は満足感に満ち溢れていた。
こんなに楽しいティータイムが未だかつてあっただろうか。いやない。

「効いてきたんだろうな、アレ」
「ああ、あれ」

楽しくて我慢できないといった様子で、二人の口元が緩む。
さっきまであんなにベッドの上で呻き声をあげて暴れまくって二人を楽しませていた蒼葉が、今はトリップの言葉通り、声を殺して項垂れ体を小刻みに震わせているだけになっていた。
その頬は赤く上気しているように見える。

「どうかしちゃいました?蒼葉さん。元気なくなっちゃったみたいですけど」
「あーおばー、一緒にケーキ食うかー?」
「っ!」

いつも通り軽い感じで声をかけてくる二人に、蒼葉がきつく睨みだけを返す。
二人は目を合わせて笑ったあと、白々しく手を広げて首を横に振った。

「何か言いたいことがあるなら言ってくれないと…って、今は喋れないんでしたね蒼葉さん。すみません気付かなくて」

ティーカップを机に置いて、ウイルスがそっとベッドへ上がる。
威嚇するように睨みながら後ろへ逃げようとする蒼葉の首輪の鎖を引いて逃げ場をなくして、顔を寄せた。
ボールギャグを噛まされているせいで零れてしまっている唾液を丁寧に指で拭って綺麗にしてから、蒼葉の口枷を外してやる。
本当はこのままその熟れた唇にキスのひとつでもしたいのだけれど、今はまだ噛まれてしまうので出来ないことが口惜しい。

「お、まえら…っ」

自由を取り戻した瞬間に蒼葉の口からこぼれたのは、頼りなく掠れた声だった。
蒼葉を連れ去ってから、怒り任せの怒号以外の蒼葉の声を久しぶりに聞いた気がする。
それだけで、二人の体の芯はゾクゾクと疼いた。

「どうかしました?蒼葉さん」
「あーおば。どした?」
「…っ」

二人の問いに、蒼葉が視線を泳がせて口篭った。それはとても口に出しにくいことらしい。
その中身など二人は既に解っているのだが、白を切ったまま静かに蒼葉の言葉を待った。口元に我慢しきれぬ笑みを携えながら。
もう暴れることはないと確信したウイルスが、待っている間に蒼葉の足枷も外してやる。
首輪は拘束という意味合いよりも、蒼葉を更に彩るアクセサリー的な要素の方が多いのでそのままにしておいた。
ガチャンという重い音と共に金属製のそれが外れたというのに、蒼葉はやはり俯いたまま小さく震えているだけだった。
トリップも蒼葉の傍へとやって来た頃、蒼葉の唇がゆっくりおそるそる、開かれる気配がした。

「トイレ…どこ、だよ…っ」

それは予想通りの言葉。
しかし「行かせて」ではなくて、その場所を聞く辺りがいじらしいと思う。
仮に場所を教えたとして、まだ一人でそこに行かせてもらえるだなんて思っているのだろうか。いるのだろう。
そんないじらしくて哀れな蒼葉に、二人の体の奥がまたぞくぞくと鳴った。

「そうですよね、蒼葉さんここ来てからまだ一回も行ってないですもんね。そろそろ行きたいですよね?」
「水だけは飲んでたもんな、蒼葉」

ここに来てから、蒼葉はまともに食事をしていない。(本人が拒否するので)
そんな理由で死なれてはたまらないので、水だけは無理やりにでも飲ませていた。
その水に栄養剤を混ぜたりしていたのだが、今回は違う薬を混ぜておいた。
そろそろ蒼葉を崩したい二人が用意した、秘密のお薬。

「いいからっ、早く…場所っ!」

その薬の効き目は最高らしい。
蒼葉の表情がさっきよりも更に必死の形相になる。
眉は垂れ下がって縋るような瞳は涙目。
もじもじと擦りあわされる太股に、ぎゅうっと握られている拳。
蒼葉に飲ませたのは、利尿剤だった。

「やべ。蒼葉すげー可愛いんだけど。勃っちゃいそ」
「ああ、これ癖になりそうだな」

蒼葉には聞こえないように囁き合う。
懸命に尿意を我慢する蒼葉の姿はたまらないものがあった。まさかこんなにいい表情をしてくれるなんて。ゾクゾクが止まらなくて鳥肌が立ってしまいそうだ。
予想以上の収穫だったが、二人は平静を装ったまま震える蒼葉を左右から挟みこんだ。
いつもは近づくなと叫んで暴れるのに、二人の間の蒼葉はやっぱり震えるだけ。もうそんな余裕すらないようだ。

「そんなに行きたいんですか?蒼葉さん」
「こんな震えちゃうほどやべーんだ?」
「ふ…っ、さわっ、な…っ」

ウイルスに足指の先からゆっくりと脚を撫でられて、トリップには手を握られてそっと撫でられる。
蒼葉は言葉でしか拒絶しなかった。いや出来なかった。
必死に我慢をしているせいなのか、いつもより感覚が研ぎ澄まされているような気がする。
しかし二人の指の動きを敏感に感じてしまうのに、その指を取り払う力がもうない。
そっちに気をやったら溢れてしまいそうな程、蒼葉に波が迫ってきていた。

「や、め、…っ」
「何を止めて欲しいんですか?」
「ちゃんと教えてくんねーとわかんねーよ、あおば」

蒼葉の様子に、二人が同時に舌なめずりをする。
指の動きを感じてビクビクと震える蒼葉が可愛くて、ウイルスとトリップはここぞとばかりに蒼葉の肌の感触を楽しんだ。
声も震えてやめろとすら言えない蒼葉を無視してたっぷりと撫で回した。
この間にも、蒼葉はどんどん限界に近づいていく。
このまま二人の前で曝け出してしまうことに恐怖すら感じて、歯がカチカチと音を立てだしていた。

「頼む、よ…っ、ほんと、頼むからっ!ウイルス!トリップっ!」

部屋に響いた蒼葉の悲痛な叫び声。
あんなに執拗に蒼葉を撫で回していた二人の動きがぴたりと止まる。
ウイルスとトリップ。
前は蒼葉の声でその口から普通に聞いていた自分達の名前を、久しぶりに聞いた気がした。
そこまで昔の話じゃないというのに、ひどく懐かしい感じがするのは何故だろう。

「頼むよ…ウイルス、トリップ…」

そんな二人の変化に気がついたのか、蒼葉はもう一度力なく囁いた。二人の瞳を交互に見つめながら。必死に願いを込めて。
もうこんなこと止めて欲しい。俺達の関係はこんなんじゃなかったはずだ。なぁ。
瞳で、そう語りかけた。
その瞳を4つの眼がじっと見つめた後、柔く細められる。
優しさすら感じるその瞳に、自分の意見がきっと通ったのだと安堵しようとした瞬間、

「ダメですよ」
「だーめ」

それはあっさりと破られたのだった。

「な…っ」
「蒼葉さん。俺達、蒼葉さんと楽しい思い出をたくさん作りたいんです」
「そーそー。蒼葉と俺達の思い出、いっぱいね」
「な、に、言って…」

二人が何を言い出したのかよくわからない。
ショックを受けている間も困惑している間もなく、後ろに回ったトリップが蒼葉の体を抱いて膝の間に座らせる。
正面のウイルスはコイルを操作しながら満面の笑みを浮かべていた。

「特に、蒼葉さんの失禁シーンなんて最高の思い出になると思いませんか?」
「っ!」

この時蒼葉はやっと気が付いたのだった。
この二人が自分にさせたいことを。最初からこうするつもりだったことを。
けれど今更気付いたところでどうにもならなかった。
トリップに体をがっちりと抱きこまれて身動きが取れないまま、足を使って器用に足を左右に開かされていく。

「楽しみだな。あおばのはじめてのおもらし」
「フフ、何だかはじめてのおつかいみたいですね、蒼葉さん」
「まぁ似たようなもんだよな。どっちも蒼葉が可愛いってことに変わりはねぇし」
「だな。さて蒼葉さん、コイルで録画の準備も出来ましたので、いつでもどうぞ」
「やっぱ、思い出は忘れないようにちゃーんと記録に残しとかないとなー」
「ば…っ」

バカ言うなと叫びたいのに、トリップに体をゆさゆさと揺らされると慌てて体の全てを引き締めることしか出来なかった。
じゃないと、もう本当に漏れてしまいそうだった。
二人がその様子をニヤニヤと笑って見ている。
絶対に嫌だ。嫌だ。このまま見られながら漏らすだなんて。しかも録画までされて。信じがたい屈辱だ。
蒼葉の首筋に、じっとりと脂汗が滲んでいく。
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