桜唄

□第四章 決意
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あの日から数日が経った。


穏やかな風が吹く今日、一行の中にはりんや邪見と戯れる桜の姿がある。


あの日、闇が囁きかけた日の晩、桜はある決心をしていた。



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---------闇桜は私の心の闇が力を与えているって言った。

なら、私が闇を持たなかったら良いんだ。

闇桜に体を乗っ取られたりすることもないかもしれない……


私が此処に居るのは殺生丸さま達のおかげ。

殺生丸さまは勿論、りんちゃんや邪見にも決して刃を向けてはならない。

決して、憎んだりしてはいけない。

私が耐えて、闇を持たないようにすれば良いんだ。



それに………。



脳裏に、桜が元気になって良かった、と微笑んだりんの顔がよぎる。


---------りんちゃんを悲しませたくないしね。



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そして、今日の笑顔に至るのだった。



---------それにしても、


阿吽に揺られながら、桜は思う。


---------殺生丸さまは何処へ向かってるんだろう?


ここ3日程、森林のような草木が充実している所をあまり通らず、だんだん道に岩が多くなっていく。


既に邪見に聞いたが、知らんわ!とどやされてしまった。

だが、道に見覚えがあるらしく、もしや、と時折首をひねっている。


ふと、桜は自分の前に乗るりんの顔を覗いた。

「あ、りんちゃん、寝ちゃったよ」

「はぁ…呑気な奴じゃのー」


桜は自分の前で阿吽に乗っているりんの頭を優しく撫でる。


「りんちゃんは小さいから、お昼寝だって必要だよー」

そう、邪見に言いながら。


時は昼下がり。

陽気な陽射しが心地良い。


「私も、寝ちゃいそう……」

「は?!………って、もう寝てる!?」


まだ桜は瞼を閉じただけだ。

だが、此処に来てから唯一穏やかな天候が誘う眠気には勝てそうになかったので、身を委ねるのであった。



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