赤い糸

□お守り
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「おい、起きろ」

「ん……」

「今日はジョディと買い物に行くんじゃなかったのか?」

「────っ赤井さん!って…ああっこんな時間!!」












また、やっちゃった。


この世界に来て一週間。

どうも睡眠欲が強くなっちゃったみたいで困っています。

元々朝は弱い方だったけど、今は夜になるとすぐ眠くなって、昼まで眠り続けそうな勢い。

最初は、始業時間があるわけでもないからと、私の起きた時間に合わせて赤井さんが本部まで送ってくれていたのだけど、働かせてもらっている身分でそんなだらしない事、やっぱり良くないじゃない?

だから赤井さんにも遠慮なく叩き起こしてくださいとお願いして、私も甘えすぎないように早起き頑張ろうと思ったのに……

結局、今日も起こされてしまいました。


でも、今日はお仕事ではないの。


「ほら、着いたぞ。そこの角を曲がれば米花デパートだ」

「折角のお休みなのに送ってもらっちゃってすいません」

「元々そのつもりだったから気にするな。終わったら連絡してくれ」

「赤井さんは来ないんですか?」

「あぁ、あまりジョディと一緒にいるのはまずい」

「そっか……わかりました。多分夕方までには終わるかと…あ、夜ご飯にお惣菜か何か買って帰りましょうか?」

「あぁ、任せるよ」

「嫌いな物ってあります?」

「特にないが…好きな物を聞かないか?普通」

「好きな物が無かった時の予防線です。じゃあ好きな物は?」

「…特にない」

「…好きな物を聞かせた意味は?」

「聞かせてはいない。それよりジョディが待っているぞ」

「そんなぁ…って、本当に遅刻しちゃう、行ってきますっ」



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