時代
□月に舞う桜
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島原の夜は華やか且つ艶やかだ。
絢爛豪華な衣装に身を包み
白粉に紅 煌びやかな櫛笄で
其の顔を彩った美しい遊女達。
初めて少女に出逢ったのは春だと云うのに
未だ冷たい風の吹く桜舞う夜の事だった。
少女は幼い頃に両親を亡くし
親戚へと預けられたのだが
八つの時に此の島原へ禿(かぶろ)として
売られて来たのだと云う。
ふわりと微笑む様が桜の花のようで
けれど 何処か憂いのある其の少女を
青年は護って遣りたいと心から思った。
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