夜鷹の恩返し

□終わり
1ページ/1ページ

自分は、星になった。

嫌われものだった、自分も嫌いだった。太陽にも星にも嫌われていた。


そんな自分に最後の慈悲を注いでくれたのは月読様だった。


ただ、やはりいくら月読様の御力が強くても、自分の業は深いようで、自分には色々な制限が付いた。



一つ、日の光を目にしないこと

一つ、主に許可なく触れぬこと

一つ、主の許可なく主を視界に入れぬこと

他にも沢山ある。まとめると、自分は主の許可なく動くことを禁じられた。さらに、その決まりを破れば、自分は自然消滅する。
そういえば、声も失った。



これら諸々のことを説明された月読様の御屋敷の方は、静かに自分の前を去った。
声を失ったと言っても、他の方々に聞こえないだけで、自分には醜い自らの鳴き声は聞こえる。



自分はこれから月読様の小間使いとしてこの世界に置かせて頂くことになった、夜鷹です。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ