わたしとキセキとミラクルデイズ

□キセキとお泊り会C
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買ってきたのはいいものの――


『誰が料理する?』
「「「「「どうぞどうぞ」」」」」
『ふざけんな道連れだ』


まさかの料理得意な人が誰もいない、という事態が発生。
これは大変だ。


「穂乃香は料理ができないのか?」
『いや…できないってことはないけどさ。こういうのは皆でやるもんじゃん?』
「男を台所に立たせるなんて…なんて奴だ。見損なったぞ」
『どこぞの大黒柱』


一人は関白宣言かましてるし、他の皆も顔を見合わせている。
これにはさすがの私も溜息を吐いた。合宿で自炊をすることだって珍しくはない。むしろそれが普通なのだ。
にもかかわらず、全部マネージャーである私と桃ちゃんにまかせっきりにする。だからこんなことになるのだ。
しかし、心の中で悪態をついていてもカレーは出来上がらない。仕方ない、やるか。


『大丈夫、皆で手分けしてやったらすぐにできるよ。いろいろと不安はあるけども……』


ちらりと赤司くんを見る。目が合うと、少し目を丸くしてその先の言葉を促した。


『なにが心配って赤司くんに包丁持たせるのが心配』
「僕を誰だと思ってるんだ」
『だからこわいんだよ』


こうして私達の決死のクッキングが始まった。
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