La prima neve dell'anno
□大空-第一章-
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ドンッ――
突然肩に衝撃が走る。
(嘘、だろ…)
全く気配がなかった。
いつもは人がぶつかる前には何かしらの気配がする。
それでも避けないようにする。
だから人が来ているのに気付かなかった自分に驚いた。
避けられても避けないようにする。
爆弾とかそういうもの以外。
そうやってダメツナを演じてきた。
でも今回の突然すぎた。
だから転ぶのを忘れた。
わっ、の声一つ出なかった。
でも、その理由はもう一つあってぶつかった相手への驚きだ。
自分からぶつかってきたのに転んでいるの相手の方。
それを見てわざとぶつかったわけではないということがわかるけど、それなのに全く気配がなかった。
「十代目!大丈夫ですか!?」
「ツナ、大丈夫か?」
「……あ、うん。俺は大丈夫だけど、向こうが…」
転んだというか尻もちをついたって感じのその子はなかなか立ち上がらない。
下を向いているせいで顔はよく見えない。
だから相手の考えている事が全く分からなくて、警戒しながらも尻もちをついているその子に声を掛ける。
「だ、大丈夫?」
「・・・。」
応えないその子に獄寺が声を上げる。
「てめぇ、この野郎!十代目にぶつかっといてシカトか!?」
「っ、」
微かに声を出したその子は今まで動かなかったのが嘘みたいに素早く立ち上がる。