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□チューリップ<きいろ>E-side
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「大佐が!?脅しって…」
「少し炎を出しただけだぞ?それで…」
まさかその頬の傷って…。
「大佐、その傷…」
「あぁ、その時に少しばかりやられてしまってな」
ばかやろう。オレにとっては賢者の石もすっごく大事だけど、大佐が傷つくのだけは絶対嫌なのに。
「そいつは詳しいことは知らないみたいだが、知り合いに情報をたくさん持ってる奴がいるそうだ。ラッシュバレーの近く、山奥に住んでいるらしい」
「ラッシュバレーか。分かった、今すぐアルつれて行くよ。サンキューな、大佐」
オレのためにここまでしてくれる。
オレのために顔に怪我までつくって。
…好きにならないわけがない。
けど、絶対ダメだ。この想いは告げられない。
大佐はこの国の頂点に立つ男だ。それなのにオレなんかがそれを邪魔するわけにはいかない。
「すぐ行ってしまうのか?」
「あぁ、情報が見つかったからな。すぐにでも行きたいんだ」
これ以上大佐の顔みたらずっとここにいたくなるから。
これ以上ここにいたら目的を果たせなくなってしまうから。
「じゃあ、行ってきます」
絶対叶わない恋。
告げられない想い。
それでもいいよ。
けど、いつかオレ達の身体が戻ったら…
チューリップ
きいろの花言葉は
実らない恋。
-Fin-
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