無の書
□第1章 NARUTO
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勇人「………何処だ、ここは?」
何もない、真っ暗な空間。
いや、足下には水が張っており、俺は今水面に立っていた。
辺りには何もなく、此処には俺しかいない。
……………いや、
透「―――――あれ、勇人くん?」
勇人「透……お前もいたのか」
無月透。
コイツもいたのか。
勇人「つーか、お前、その腕は?」
透の右腕。
それは、以前会ったときには無かったもの。
機械の腕だった。
透「ちょっとやっちゃいました」
勇人「やっちゃいましたってお前……」
真顔でサラッと言うコイツに、相変わらずだと呆れてしまう。
俺の知らない間に何かあったようだが、特に気にしてはいないようだ。
透「ところで、何処なんですか? 此処?」
勇人「俺もしらん」
俺が聞きたいくらいだ。
透「もしかして地獄ですか? 僕達、実は死んでるとか」
勇人「嫌なこと言うなよお前」
「何をもって死とする?」
勇人&透「「!?」」
声が聴こえて、後ろへ振り返る。
「お主達の死に対する倫理的観点は、ワシの世界のものとは異なるな」
そこに、見慣れないじいさんがいた。
勇人「誰だ、アンタ?」
「我は、安寧秩序を成す者……名を、ハゴロモと言う」
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