薄影ーはくえいー
□たくさんのハジメテ
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今日は土曜日。1泊2日の火神とのデートの日だ。
昨日のうちに準備は終わり、あとは火神を待つだけ。
待ち合わせは10時に黒子の家。今は9時40分、あと少しで火神に会える。こう思うだけで黒子はワクワクしていた。
だが時間が経つのが遅いと感じ始めた黒子は仮眠につこうと思い、椅子に座ったまま夢の世界へと堕ちていった。
「…ろこ……黒子……黒子!!」
「ぅ…うぅん……」
目覚めさせてくれたのは誰だろうと思い相手の顔を見ると、そこには火神がいた。
「やっと起きたか。時間だぞ」
「えっ?」
黒子は慌てて時計を見ると、時計の針は10時過ぎをさしていた。
「すみません火神君。ところで家にはどうやって入ってきたんですか?」
「あー、お前のお袋さんが入れてくれた」
「そうですか……では少し待っていてください、今荷物を取ってきますから」
「おう」
そう言うと黒子は自分の部屋から荷物を持ってくる。
「それじゃあ行くか」
「はい」
こうして黒子と火神のお出かけデートは始まった。