薄影ーはくえいー
□告白 黄瀬涼太の場合
1ページ/1ページ
海常との練習試合終了後に、僕は黄瀬君に呼び出されていた。
「黒子っち、実は大事な話があるんス」
「なんですか黄瀬君」
「俺……帝光の時から黒子っちが好きなんス」
「え……!?」
この時僕はすごく驚いた。
何故なら僕は、黄瀬君のことが帝光に居た時から黄瀬君のことが好きだったのだ。
ずっとこれは不毛な恋だと思っていた。黄瀬君は顔もいいしモデルもしているから女の子にもモテる。
そんな黄瀬君が僕を好きになるはずがない、そう諦めていた。でも…分かっているのに諦められなかった。
そして日に日に黄瀬君への思いは募っていくばかり。
そんな毎日を過ごしていた時、今ここで黄瀬君に告白された。
「こんなの気持ち悪いッスよね?」
「………」
「ごめんなさい、黒子っちが嫌だっていうなら俺、黒子っちの前から消えるっす」
「…!違います!嫌じゃありません。驚いていただけです」
「え…今嫌じゃないって言ったっすか?」
「はい」
黄瀬は一瞬ありえないといった感じの表情をしたがすぐに笑顔になり黒子に抱きついた。
「これは夢じゃないんすよね」
「はい」
「黒子っち…大好き」
そう言って黄瀬は黒子に「大好き」と何回も言いながら頬ずりをしてくる。
そして黒子は黄瀬の頬ずりを拒むことなく、ただただ黄瀬とずっと一緒にいたいと思っているのであった。