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□はじめまして
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ある日、私は会長である竜宮寺先輩に呼び出された。


「転校生?」

「ああ。田畑、お前そう言うの得意だろ。だから行ってこい」

「ちょ、竜宮寺先輩、私ただのしがない会計なんですけど」

だいたい、そう言うのは私じゃなくて他の人が適任だと思う。

「会計なんだから行けよ」

「そんな無茶苦茶言わないでくださいよ!会長が行ってくださいよ。もしくは他の人に頼んでください」

「そう怒るな。……俺は、お前が適任だと思うぜ。だから頼んだんだが…」


うっ……そうやって、いつもこの人は優しげな顔で笑う。

私がそれに弱いことを、この人は知っているのだ。

―――惚れた弱み、とは良く言うものです。


「わかりましたよっやれば良いんでしょう、やれば!!」

「おう、頼んだぞ」


そうして私は、転校生を迎えに行くことになった。

しかし、いくら待てどもその人は来ない。

遅れると言う連絡はなかったはずだから、もう来ても良い頃のはず…。

と思っていた矢先に、

「おーい!!お前、この学校の奴か!?」

「え?」

私は目が点になった。

「俺は五月女縁!縁って呼んでくれっ」

「は、はぁ……。私は生徒会会計の田畑聖悟です」
「へぇ、聖悟って言うのかぁ、良い名前だな!」

「ど、どうも……」

この人は悪い人ではなさそうだけれど…

苦手な感じかもしれません。

「あっそうだ!!おじさんとこ連れてってくれよ!」

「おじさん…ですか?」

「あっ…俺のおじさん、理事長なんだよ!!だから、呼ばれててさぁ!」

「は、はぁ…そうなんですか。わかりました。ご案内します」

理事長の甥子か…何だか余計厄介ですね…。

「おう!!」


僕は縁くんを理事長室まで送った後、また生徒会室に戻って行った。



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