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□舞い上がる俺と鈍すぎるお前
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初めてごんべぇと話したのは
つい二日前。


今日こそ話しかけよう。と柄にもなかく緊張した二日前の俺は、
何故かごんべぇを目の前にした途端、本能のままに動いてしまった。

いきなり抱き締めてきた男とよく普通に話せたよな、あいつ。


何とか名前と連絡先を聞き出したが、ごんべぇが嬉しくなるような言葉を投げ掛けてくるから、冷静を装うのは大変だった。
余裕ねー奴とか思われたくないしな。


そして、俺は今ごんべぇからもらった、俺には可愛らしすぎる紙切れを握りしめて
公衆電話の前にたっている。


上手く会う約束を取り付けられるか、何故だか心配だ。

女と付き合った経験がねー訳じゃないし、
周りの奴等に比べりゃ多いほうだ、と言ってもいいと思う。(周りのやつらには女っ気なんて全くないから比べていいかわかんねーが。)


だから、
女慣れしてると思ってた自分が
ごんべぇの一言で舞い上がったりしてるのが、おかしくて仕方ない。


まぁ、こんなのもアリだよな。


とりあえず自己完結して受話器をとる。


コールが三回なったあと、


「もしもし?」


ごんべぇの声が聞こえた。


「…………………」

「?、あの、間違いですか?」


おい、何とか言えよ、俺!
これじゃあイタ電と間違われても仕方ねー。


「俺だ、」


出てきた言葉は今度はおれおれ詐欺な間違われそうな言葉。

どんだけ緊張してんだ俺。


「………竜也、君?」


嘘だろ今ので分かるのかよ。
すげー嬉しい。ガキか俺は。



「おう、よく分かったな。」


「えへへ、

……あ、の、えっと、うー、あー、」

「……大丈夫か?」


どうしたこいつ。

いきなりうなり出したのをフシギに思っていると、

「あ、の!

も、もし!暇な時間あれば!
その!おお、お茶でも!
どうですか?!」


「……………」


くそ、可愛い過ぎだろ。


「………あのー、だめ?」


やめろ、んな声できくな。

断る気なんてはなからねーんだからよ。


「あぁ、いいぜ。
何時にする?」


「ほ、本当?!

やったー!……じゃなくて、

えと、何時でも大丈夫だよ!」


「………じゃあ、」


――――――


「じゃあその日にな。」

「うん!またね!」



ガチャン


受話器を置いて、先ず深呼吸。


今日分かったこと、

明後日の12時に駅前

ごんべぇは緊張するとどもる

しかも鈍感

そして、


期待してもいいかもしんねー。





すげー舞い上がってんな、俺。


あぁ、明後日が楽しみで仕方ねーよ。





――――――――――



ふふふ、美藤さんのキャラがちげー。


ので!セリフだけに注目したら

何時もの渋い御方にしようと!

思いましたが、


どーですか………



ふふふ、なってんのか、これ。
 

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