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□溶けて溶けて
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私達のいつものデートは

十三のバイクにのって

何処かに行くこと。

何処かは決まってない。

海だったり

隣街の大きいショッピングモールだったり。

あ、一回何も言わずに大阪連れていかれたときはビックリしたなぁ。

で、家の前まで送ってくれて。

そこでバイバイのキス。

触れるだけの、優しいキス。

それ以外の時間には

息が出来ないようなキスしてくるのに

なんでだろう。

十三に触れてると

このまま溶けて一つになりたい、

なんて思うけど、

お別れの時間は涙まで出そうになる。

十三の抱きしめる力が強くなっても

まだまだ足りなくて、

前に、
ごめんね、面倒な女で。

って言ったら、

悪いな、面倒な男で。

って返ってきた。

また好きになってしまったなぁ。

好きよ、十三。




なぁ、ごんべぇ、
俺らの愛は何色だろうな?

何?急に?

笑うなっつの。

ふふ、ごめん。
だって十三がそんな事言うなんて。

鮫がこの前俺とあの娘の愛は
真っ赤な赤色だ!って言ってたんだよ。

鮫島くん、また?

あぁ。
で、何色だよ。

私が決めるの?

愛に色つけるなんて俺には似合わねーよ。

鮫島くんはつけたんでしょ?

あいつも似合わねーな。

酷い。

事実だ。

十三色。

あ?

私達の愛の色。


……………。

嫌?



俺はごんべぇ色の方がいいな。
そっちの方がキレイそうだ。

やだ、照れるなぁ。

俺が溶けてやるよ。

私も溶けたい。

駄目だ。

嫌ー。
っ、きゃ!

どっちが溶けるかやってみるか。

私が先に溶けるわね。

残念、俺はもう溶けてる。

狡い。





君に溶けて、
貴方を溶かして、
二人で唯一の存在に。

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