小説
□勿忘草〜ルキアSaid〜
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勿忘草〜ルキアSaid〜
一護との最後は以外にも早いものだった。
きっと一護も辛かったのだと思う。
本当はもっともっと沢山話をしたかったけど、一護は一護なりに気を使ってくれたのだな。
一護が死神の力を失ったと聞いたときは、ショックを隠せず、一人で泣き崩れた。
なぜなら、それは別れを意味するのだから。
だけど、そうすることによって一護の身が安全になると考えて、ようやく立ち直った。
私は弱い。
“離れたくなんかない。帰りたくなんかない”
その一言を伝えられなかった。
だから私は、私の想いの詰まった小さな花を一護のもとに残してきた。
勿忘草
“私を忘れないで下さい”
ほんの少し、頭の片隅にだけでもいいから覚えていて欲しくて。
私と過ごした日々をなかったことにしないで欲しかったから、私はあの花を残した。
一護のことだから花言葉なんか知らないだろう。
だから、私が最後に残したメッセージに気づいてくれないかもしれない。