小説
□勿忘草〜一護Said〜
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勿忘草〜一護Said〜
あんなに大好きだったルキアとの別れは、あまりにもあっさりとしていた。
“本当は離れたくなんかない”
そのたった一言が言えなくて、最後の強がりを見せた。
「ルキア」
そう呼べば
「なんだ?」
そう返してくれるルキアがいて
へまをすれば
「たわけ!」
そう言いながらも優しいルキアがいる。
俺の中ではルキアのいる日常が当たり前になっていて、いつも、どんな時もルキアを求めてた。
「寂しそうな顔なんかしてねぇ」
そう言ったけど、本当は寂しくてたまらなかった。
「ありがとう」
それだけじゃ足りないけど、不器用な俺はそんなありふれた言葉しか浮かんでこなかった。
ルキアは俺にたくさんのものを残していった。そんなルキアが最後に残したモノは、小さな花だった。
薄く色づいた青色の小さな小さな花。
花のことなんか興味もない俺が、必死になってこの花の花言葉を探した。