文ストNL小説短編

□お弁当【国佐/リクエスト小説】
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信子の事が気になって、少しだけ寝不足になった。
今日が休みで良かった。
しかし、昼前には出なければいけないな。
確か……場所は……。
俺と信子が出会った公園。
懐かしい。


などと、呑気に過去を思い出してる場合ではない!
いつの間にか待ち合わせ時間前ではないか!?
そんな中、電話がかかってきた。
ええい!
誰かは知らんが、出る暇などない!
「……ん?」


だが、ちょっと待て。
今のところ、今日の予定を知るのは一人。
公園に行く話は誰にもしていないから、敦達や太宰は論外だ。
もしかして……。
俺はそう思いながらも、公園へと急いだ。
「独歩さん!」


「信子」
彼女の手には携帯がある。
やはり、先ほどの電話は信子からのようだ。
それはともかくとして、近くにある包みが気になる。
「えっと……実は、お弁当を作ってみました…ナオミさんに教わりながら…」
「え?」


「独歩さんに食べてもらいたくて」
照れながら、言われた。
全く……。
俺は贅沢者だな。
そして、幸せ者でもある。
好きな人からの手料理を今だけは独り占め出来るのだから。
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