文スト学園の日常。

□2話「先輩と勘違いされてます」
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※芥川視点


入学し、慣れてきた頃。
僕はある場面に出くわした。
ドラマなどでありそうなものだ。
「離して下さい!」
「ちょっとぐらい付き合えよ」
「嫌です!」


がたいの良い男を相手になかなか強い女だ。
などと見ている時ではない!
やはり、止めねば!
「おい。嫌がっているではないか。早く離せ」
「関係ねえ奴は引っ込んでろ!」
ああ、面倒だ。


そう思って、僕は少し男を睨んだ。
「すっ……すいませんでしたぁぁ!!」
逃げた。
素早いな。
しかし、これでもう寄ってこないだろう。
女性も怖がるかもしれないが……。


「は?」
憧れの目で見られている。
今までなかった。
「ありがとうございます!先輩!」
「……僕は…」
高等部の1年なのだがと言おうとしたが出来なかった。


始業の鐘が鳴ったからだ。
結局、勘違いされたまま。
まあ……良いだろう…。
よく会うわけでもないし、名も聞いていないし。
特に問題はないはず。
彼女が先輩なら別だが……。
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