文ストNL小説短編

□七夕【鏡花→敦】
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※数年後の鏡花視点、両想い設定。


最近、よく“七夕”という言葉を見る。
何なんだろう?
子供達は嬉しそうにしてる。
楽しい事なの?
そう思って、私は敦に聞いてみようとした。
でも……忙しそう…。


他の人でも知ってるかな?
「七夕?ご馳走が食べれるよね!」
乱歩さんの答えは簡単なものだったけど、それだけじゃ分からない。
国木田さん、太宰さん、社長は留守でいない。
宮沢さんも、与謝野先生も今は出掛けてる。
あと聞けるのは……谷崎さん、ナオミさんだけ。


どうしよう。
二人も仕事してるよね。
別の日にしようかな?
なんて事を考えてたら、不意にナオミさんに話しかけられた。
「鏡花ちゃん。どうかしたんですの?」
「あ……えと…」


「もしかして、七夕について知りたいのかな?」
谷崎さんが私の近くに来る。
珍しく鋭い、かも。
「うん」
「ん〜……そうだなぁ…説明は省くとして、七夕には願い事が出来るんだ」
「?」


「例えば、誰かと過ごしたいとか短冊に書いて、笹に付けるんだ」
「誰かと……」
それなら私は敦と一緒に過ごしたい。
春も、夏も、秋も、冬も。
だって……彼は私を救ってくれた人で。
私の恋人だから。

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