過去ぱち(・ω・`)

□拍手連載まとめ
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俺が隙間から拾い上げたのは、目当ての応募券ではなく。


「…あめの…包み紙…?」


可愛らしい水玉の包装紙だ。俺は確かにそれに見覚えがある。
昔、蔵で、誰かに…。
誰にもらったのか思い出そうとすると頭に激痛が走った。


「…くっ」


ガンガンしやがる。まるで何かに思い出すのを邪魔されてるみたいな、そんな感覚。
うっすらともやが掛かった状態の『紫』。それが、あめ玉の彼の印象。






「ってことが、あったんだけどさ」

「なるほど。それは何かの術や結界の類じゃないか?」


級友の神童もまた『見える』人間の1人だ。
今のところ一番間近にいる俺の理解者。
一連の話をし終えれば彼はひとり、うんうんと唸りだした。


「…一度、俺の家に来ないか?」


突然の誘いに驚く。今まで神童は俺を家に招きたがらなかったのだ。
何故、と目で訴えれば彼は微笑んだ。


「倉間にさ、合わせたいヤツがいるんだ」

「ふぅん。」


神童の家はまだ『祓い屋』をしている。うちのように廃れてしまった家が多いなか良くやっているとおもうが、俺的にはそんな自分から『奴ら』に向かっていくような仕事は願い下げだ。
(ていうか今、俺の家系俺以外見えないみたいだし。)

父の話によればうちも、かつてはかなり有名な『そっち』系の家業だったらしいんだけど。


「じゃあ、今日学校終わったら来てくれ」

「…今日?」

「ああ、悪いけど今日なんだ」


神童が申し訳なさそうに目を伏せるものだから、俺はあわてて頷いた。


「今日な、了解」


実は、倉間典人、生まれて初めて友達の家に遊びに行きます。
顔には出てないと思うけどすごい楽しみ!




****


おまけ

「サネ様!」

「どうした手下@」

「蔵のドアが開きません」

「え、まじ?」

「ホントにございます」

「…霧の、遊びに来ねぇかな」

「(そういえばこの人引きこもりだった!)」

「あ、」

「?」

「典人が不足してる。覗きに行こうって扉開かねえぇぇええ!!なんで!?どうして!?」

「…駄目だこりゃ」




*******



蔵が開かない理由は後ほど。
倉間と神童がお友達←
きっとたっきゅんは祓い屋じゃなくて音楽家になりたがる。
今回短いですね。



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