短くどうにか
□君のせいで大変でした
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離脱沢さん。
月山vs雷門の後。
ふと、教室の窓からグラウンドを眺める。
そこで俺は改めて実感するのだ。
「ここ、雷門じゃないんだっけ」
何を言っているのだ、と兵頭に心配され曖昧に笑う。
はっきり言えば、雷門が恋しくないこともない。
だけど俺はもう月山国光の生徒なのだから、と自分に言い聞かせてはや数ヶ月。
どうしたものか、月山に馴染む一方で雷門への恋しさは募るばかりだ。
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「…倉間。」
ぽつりと呟いた言葉に自分でハッとする。
倉間、か。
最近会ってねぇな。
「南沢!」
「え!あ、はいっ」
しまった。授業中だということを失念していた。
これは相当キているに違いない。
俺は教師の指定した問題を解答し終えると、授業に集中することにした。
だけど、頭のどこかではあのチビで生意気な後輩のことを考えていた。
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