しじり短編!

□ヒカリ。
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「おまえ、まじうぜーよ。」

「っ・・・」

幼稚園の頃、
確かに世界はこう言った。



目が覚めると、見慣れない天井。
そこでやっと昨日屋敷に泊まったことを思い出して。
起き上がってから小さく息を吐き、
辺りを見回しても、やっぱり生活感のない部屋で。

「ご主人様、ここに住んでんだよなー。あ、橘さんやエリサお嬢様もだっけ。」

なんだか、少しさびしく感じた。

「ああ、起きたんデスカ。」

ノックもなく聞きなれた声が入ってくる。

「あ、世界おはー。」

「紅茶いります?入れますケド。」

「んー、いらないー。」

「そうデスカ。」

世界は特に残念がるそぶりも見せず、本棚の本を探す。
もっかい寝よーかなーなんて思ってたら、トーリ、という声とともに何かが投げられた。絵本だ。紙袋には書店の名前が書いている。

「何これー。」

「それ、欲しかったっつってたやつだろ?」

あー、そだっけー。などと言いつつも
それは本当に欲しかった本で。

「世界ありがとー。」

「ん。でも何でいきなり絵本なんか・・・。」

「確かに、ハタチ越えた人間が読むものではないよね。なんか懐かしくなってさー。」

「懐かしい?」

そう、だってこれは

「初めて世界と話した時に読んでた本なんだよ。」

「・・・よく覚えてんのな。」

世界が何冊かの本を持ち、ベットの傍の椅子に腰掛ける。見せろ、って訳ね。

「うわあ・・・そうそうこれこれ!」

「まあ、ただの絵本だな。」

絵本の中身はいたって簡単で。
いじめられっ子をヒーローが助ける話。
俺は当時、このヒーローに憧れていた。

「これ、世界みたいじゃない?」

とん、とわざと女の子とヒーローの間を指差す。
案の定世界は怒ったけど。

「はあ?!俺は女の子だって言いたいんデスカ?」

「あはは。違う違う、その横だよ。」

そのヒーローは仮面にマント、
さらにお腹にはご丁寧にもヒーローと書いてあった。
幼稚園児にはウケは良いかもだけど
さすがの俺でもこれはパスかな。

「こんなださいヒーローはお断りですがね。」

「えー、でも世界は俺のヒーローだよ?」

俺がいつになく笑みさえ零さずそう言うもんだから
世界は面食らったのかきょとんとしていた。

「え?それってどういう・・・」

「はーい、ここまでー!」

パン!と大きな音を立てて手を叩くと
びくっと反応する世界。もうほんと可愛い。

「これ以上この話を聞きたいなら、課金してね!」

「カ、カキン?なんだそれ。」

訳が分からないというような顔をしている世界に
俺はベッドから出て本を持たせ立たせる。

「はいはい、トーリ君は今からお着替えなのです!襲われたくなかったとっとと出ていってねー?」

「お、おそっ・・・!」

「ああ、あと今俺パンツ穿いてないし。着てるのはこのロンTだけだよー。世界なら何が言いたいかって分かるよね?」

それは、その気になれば襲うよ?ってこと。
さすがに何度も経験してるからか
世界はいたって冷静だったけどさ。
・・・・なんかムカつく。

「はいはい出ていくっての。さすがにまだ執事としての仕事も残ってるしな。」

「へえ・・・残ってなかったら襲われても良かったんだ?」

「か、勝手に言ってろ!じゃあな!!」

バタン!と音をたてて閉まる扉。
否定しない世界可愛いと思いながら
俺はベッドに戻り再び本を開いた。

「本当に、懐かしい。」

俺はふ、と笑いつつ、世界にああ言ったけど
めんどくさくなって絵本を開いたまま
再び夢の中へと落ちていった。








「おまえ、まじうぜーよ。」

「っ・・・」

ああ、またかとおもった。
おれはどうやらがいこくじんとのはーふというやつで。
だからみんなとかみやめのいろがちがくて・・・。
ともだちになりたいのに
いつもいわれるのは「へん!」だけだった。
このひと、となりのくらすだったはずだけど。
このひともそうおもってるんだとおもうと
なんだかかなしくなってきた。

「だよなすずき!こいつかみのけもめも、へんないろしてさ!」

おれのくらすのぼすみたいなやつが
よろこんではなしかけている。
もうやだ・・・おうちかえりたい。
そうおもってたら、

「みかづきじゃねーよ、おまえだよおまえ。」

ぱっとかおをあげるとそのこは
はなしかけてきたぼすとまわりのやつらをみていた。

「よってたかっていじめて、たのしいわけ?かっこわるいよ?」

ためいきをついてあきれたように
ぼすをみるこのこが、おれはすごくかっこよく見えた。

「な、なんだよ・・・!すずきのばーかばーか!もういっしょにあそんでやらないからなー!」

はんなきになりながらきょうしつをでていったぼすと、
あわててついてったこぶんみたいなやつら。
それとどうじにおんなのこたちが
かっこいいかっこいいとさわぎだす。
そんなことにもめもくれずそのこは
おれのまえにきてしゃがみこんだ。

「だいじょうぶか?えっと・・・みかづきとーり、だよな?」

「うん、ありがとう・・・えっと・すずき、くん?」

おれがこのこのなまえがわからずおどおどしていると
めのまえのおとこのこは
おれにてをさしのべこういった。

「そう!おれはすずきせかい。よろしくな、とーり!」

それ以来、世界は俺の「ヒカリ」になった。

*****************************

\幼稚園児世界ちゃんイケメンダイテー/

とりあえず2作品目です!
けっこうぐだってますね(´ω`)!
幼稚園児シーンは読めるでしょうか?
ちなみに作者は
読みづらかったです(´^ω^`)←

出会いが幼稚園だって言うから
妄想が爆発しちゃったんです\(^O^)/←
また変な所があったら書き直します(^_^;)

それではご覧いただき
誠にありがとうございました!


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