Main

□屋根の上
1ページ/11ページ

『プリノさんはいつも頑張ってくれているから、明日はぜひ休暇をとってゆっくりするといい 
 今の私は気分がいいから、なんならキャロルと紅にも休暇をやろうではないか』

と、討伐隊隊長ケイン・クレバートに言われたのは昨日の話

『いや〜久々の休暇ですね〜』

なんて、昨日はハシャいでいたキャロルの姿もなし

つまり、いるのは残る2人

私と部下の紅だけである

『む・・・無言になってしまう・・・』

私は心の中で叫び、誰かに助けを求めていた

ケインさんに進められるがままに休暇を貰った今日1日

本来ならキャロルも入った3人で過ごす予定だったが・・・

『すいません 僕ユイマ君たちに手紙書かないといけないので今日はお2人で遊んでください』

と言ったきり、部屋から出てこないらしい

2人で迎えにくるはずだったクレバート家に紅単体で来たときの私の驚きようといったら・・・

・・・・・・・・・そこはみなさんの想像にお任せするとして

『そういうことで 今日はゆっくりするといい』

そう言って去ろうとした紅を引き止めたのは、他でもない私自身だ

『せ、せっかくですから ちょっと2人で町に行ったりしませんか?』

言った後から後悔した 

紅がいいと言うわけがない

きっとまた

『婦女子が男と2人で出かけるなど――・・・』

と、うんぬんかんぬん言われるのがオチだろう

だが、

『えっ? ・・・・・・あぁ』

返答は予想外だった



―――と、いうわけで2人並んで町を歩いているわけだが・・・

話題を考えておくべきでした・・・

せっかく紅と2人で歩けているのに・・・

こんなチャンスもう二度とないかもしれないのに・・・
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ