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□rainsday
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「きーちゃん 帰ろう♪」
一通りの仕事を終えた散葉が戸からひょこりと顔だけを覗かせる
その部屋の中では妃杈が書類の整理をしていた
「ち、散葉・・・」
「あ、ごめん 仕事まだ終わってなかった?」
「ううん 大丈夫だ 帰ろう」
妃杈がやさしい笑みを見せながら書類を机の上に重ねた
外に出ると・・・
「あ、雨や」
しとしとと雨が降っていた
「ついさっきよりはマシのようだな」
「傘さして帰る?」
散葉は妃杈の顔を覗き込みながら問いかける
「私はこれくらい大丈夫だが・・・」
「やっぱり? きーちゃんも大丈夫なんやったら私も大丈夫やけ」
散葉はそのまま雨のふる道へ飛び出した
「雨は嫌いじゃないってきーちゃん言っとったもんね」
散葉を見て驚いたように目を見開いていたが、笑いながら妃杈も雨の中へと足を踏み入れた