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□天使がくれた大チャンス
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「キ、キャロルー!!!」
私たち2人は扉に張り付いたままひたすら叫んでいた
隣りに居るのは赤い髪を持つ私の部下
キャロルに閉め出されてから、かれこれ30分くらい経っていた
これだけ叫んでいるのに誰も気づかない
何で・・・?
そろそろ大声を出すのも疲れた
声が潰れそうだ
「キャロ・・・ケホケホケホッ!!」
とうとう私はむせ返ってしまった
「お、おい 大丈夫か?」
隣りにいる紅も叫ぶのを止め、私を覗き込む
「あ、はい・・・すいません」
私は喉元を押えながら苦しさを堪えて返答する
紅は屈んだ腰を上げ、扉を見つめた
「これだけ叫んでも誰も反応しないということは、キャロルのやつ、きっと防音呪符でもしているんだろう」
「防音呪符!?」
呪符というのは何でもありなんですか?