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□rainsday
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「うわぁ…雨かぁ…」

小桃は屋敷の中から外を覗く

視線の先には屋根からしたり落ちる雫

「足がこんなんだからな〜 雨でも何も変わんねーや」

小桃は窓に顔を近づけて外の景色を眺める

あちらこちらにできた水溜まりが鏡のように周りの木々たちを映し出していて、
地面全体に反対の世界が映し出されていた

「は〜 退屈だな〜」

小桃がそうため息をついた瞬間

「こ〜もも♪」

「うわぁっ!!」

後ろから衝撃がきた

振り返らずともだいたい分かる

この声、そして抱きつき方…

こいつは絶対

「おはよう小桃 今日も小桃は可愛いね」

「だーーー!!! だから抱きつくなって言ってるだろ!! 昴!!!」

昴・ハーネスト

元(?)魔王で小桃の仲間

それでもって…

小桃を溺愛している男

「暑苦しい!! ただでさえ雨で蒸し暑いのにくっつくなぁぁぁ!!!」

何かにつきベタベタとくっついてくる

「お前!! 仕事はどーしたんだよ!!」

「もちろんしてるさ? 今も巡回中だよ?」

「んなわけあるかー!! なんで巡回中に私のところに来るんだよ」

「これだって仕事のひとつだよ? 今日も小桃の身に何もないか…」

「仕事じゃないだろ!! 私の心配より村のみんなの心配をしろ!!」

足を怪我しているとは思えないような勢いでツッコみを繰り返す

メイドたちはそんな2人を見てクスクスと笑っていた

「ったく雨降ってるってのに元気だなぁ〜お前は」

小桃は両手を腰に当てて呆れたように昴を見る

昴はそんな彼女にニッコリと微笑みながら

「もちろん♪ 小桃がいるからね♪」

と返した
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