キリ番です!

□機械の=心-4
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※トチローさんが生きていた場合。





―――

――








「ハーロック・・・」


「何だトチロー?」


「何だじゃないよ何だじゃ。
ヤマを離しなさい」


「いやだ」








艦長室に堂々と座るアルカディアのキャプテン、その名もハーロック。


そのハーロックの良き理解者の親友であり乗組員のトチローは、自身の手掛けたAIであるヤマを離さないように自分の膝へと乗せ至極当然と言った表情をしている親友を呆れた顔で見つめる。

膝に乗せられたヤマはどうしていいか分からず困惑しているようだ。








「いやだってお前な・・・」


「仕事はしている。
今日の分は終わりだ」


「相変わらず早いけどな、ヤマが困ってるだろ?」


「ヤマ」


「はいっ」


「俺と一緒に居るのは、嫌か?」








ハーロックはヤマの肩に顔を乗せ至近距離でヤマに尋ねる。
ヤマはそのことに心臓が飛び跳ね硬直したままハーロックの方を向かず声を出す。


前にも同じ手に引っかかっているのだが、ヤマはハーロックに弱い。








「い、嫌じゃありません」


「・・・ふ」


「ドヤ顔するなって!
・・・はぁ、分かったよ。ヤマにわがままばっかり言うなよ?」


「分かった」


「じゃあヤマ、変なことされたら俺に言うんだよ?
あと、この後ハーロックは今後の打ち合わせがあるから時間になったら連れて来てくれるかい?」


「分かった!」








トチローはヤマを心配しつつもハーロックの押しに負けミーメたちの元に向かい、部屋には二人だけとなった。








「・・・」


「ハーロック」


「何だ?」


「そっちを向いて、良い?」


「ああ」








意外にも先に動いたのはヤマだった。

徐に口を開け了解を得ると、ハーロックの腕をやんわり解き体勢を先程の逆にして向かい合う形で自分から抱きしめる。








「・・・」


「積極的だな、ヤマ?」


「あ、えっと・・・こうしたら一番落ち着いて。
嫌だった?」


「いや。
今度からはこっちの体勢にしよう」








ハーロックは満足そうにヤマの髪を撫で、頬にキスをした。

ヤマは恥ずかしそうに頬を手で押さえ顔をハーロックの胸に押当てる。








「顔が見えない」


「今はダメ」








ヤマの声を聞いてしばらくハーロックはヤマの頭を撫でながら穏やかな時間を過ごした。








「ハーロック、そろそろ時間だ・・・」


「・・・」


「ハーロック?」








時間が経ち顔の赤みが消えたヤマは顔を上げるが、今度はハーロックがヤマの肩口に顔を乗せぎゅっと抱きしめた。








「もう少しこのままでいろ」


「でも、時間・・・」


「五分延長だ。
トチローも俺が遅くなるのは分かっている」


「そうだったんだ」








ヤマはそれを聞くと安心し、ハーロックを抱きしめ返した。




・・・この後、トチローが怒りながらハーロックを呼びに行くが
ハーロックの平然とした態度と慌てふためくヤマの姿が安易に想像出来たミーメとトリさんは呆れながら、ハーロックに用意しておいた茶菓子に手をつけた。










―機械の=心―4










(ハーロック、ヤマに変なこと教えるなって言っただろ!)


(俺は変なことなど教えていない)







「ハーロック!・・・じゃなかった、ダーリン!」


「何教えてるんだよハーロックっ!!?」


「・・・ふ」








まだまだトチローの苦労と、ハーロックのヤマへの間違っているようないないような知識を与える光景は続くようだ。









―――

――










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