キリ番です!
□機械の=心-3
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「キャプテン!起きろ、朝だぞ〜」
「・・・」
「おーきーろー!!
ミーメとトリさんはちゃんと起きてるぞー?」
ベットをギシギシ揺らしながら眠りについている主を起こすヤマ。最近ではヤマが起こさない時の主、ハーロックの機嫌は悪くなる程だ。
ヤマが揺すったおかげかハーロックは重い瞼を開けゆっくり身体を起こす。
「ほらキャプテン、立って立って」
「・・・、」
「なに?」
「後、五分・・・」
「ダーメ!
二度寝はさせないからな?」
「・・・」
布団に戻ろうとしたハーロックの身体を外に出させヤマは持って来たハーロックの服を着させる。
一応ズボンだけは自分で穿かせるが寝ぼけてベルトを掛け間違いしないかチェックも劣らないヤマ。
服を着せ終える頃にはハーロックも目を覚まし、ヤマの頭を撫でる。
「こども扱いって言うんだろこれ?」
「そう言うつもりは無い」
「あっそ・・・。
キャプテンってやっぱ手も大きいな」
「そうか?」
「うん」
嫌がるような口調をしているがヤマはハーロックの手をどかすことは無い。
「朝ご飯は日本食だよ」
「そもそもお前は日本食以外のものが作れるのか?」
「さあ?ただ、なんとなくキッチンに立つと作っちゃってさ」
「・・・そうか」
ヤマは食事係が居ない為、毎日みんなの代わりに食事当番をしている。
毎日献立が代わり、食卓に並ぶ色とりどりのご飯は舌の肥えたハーロックでも飽きないものだ。
だが、その中身は日本食のみでパンが出て来ない。
たまに出て来ても一食分は必ず白米が置いてある。
それはかつてハーロックの親友が欠かさず日本食を食べていたことも関係していることをハーロックは気付いているがヤマには伝えることは無いだろう・・・
「今日はなにをすれば良い?」
「俺と共に惑星へ降りろ。
指示はそこで出す」
「了解」
廊下に出たハーロックの後ろをヤマは一歩下がりながら付いて行く。
「あ、そうだキャプテン」
思い出したようなヤマの声に振り向くと、頬に冷たい感触と唇に温かい感触がしたハーロックは身体を固める。
「おはようのキス、まだだったでしょ?」
「・・・」
『ヤマー!ちょっとこっちを手伝ってくれー!』
「ヤッタランさんだ。
ちょっと行って来ますねキャプテン!」
最近入って来た乗組員のヤッタランに呼ばれ、そのまま走り去るヤマの背中を見送りながらハーロックは口元に手を置き口角を上げる。
――バサバサッ!
「クワァ〜?」
「計画通り、だなトリさん」
「クエェ!」
ハーロックの肩に乗る為飛んで来たトリさんの毛並みを撫でながら、今日もハーロックは一日を頑張るのだ。
―機械の=心―3
(キャプテン)
(ヤマ、寝る時は一緒の布団で寝ろ)
(何でですか?)
(俺が寒いからだ、良いな?)
(・・・了解)
「ヤマの足は冷たいな」
「機械、だし・・・」
「その割に頬が熱い」
「っ」
そんな日常。
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焔様へ謝罪!!!
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