短編小説
□一個のチロルチョコ
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「こ、これ雪男くん!!!」
「え」
「きょ、今日バレンタインッ!これ渡したくて!!」
教室から出ると同じクラスの…確か藤原さん?が立っていた。
誰かに用事があるのかなと思って早く出ようとすると突然名前を呼ばれた。
どうやら用事があったのは僕らしい。
振り返った瞬間突きつけられたのはあの一口サイズの…チロルチョコ。
僕が口を開く前に彼女は口早にその場を離れた言ってしまった。
…しかも超特急で。
(バレンタイン…チロルチョコ…)
今日は14日、バレンタインか。
朝から何度か女の子たちからもらったけど…。
「チロルチョコ…」
こんなの初めてかもしれない。
チロルチョコたった一つ。
それはとても印象深くて、僕の記憶に深く残った。
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