MAIN(Sekakoi)
□恋は曲者
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「トリー、今日花火大会なんだって」
久しぶりの休暇だったので昨日の夜から千秋の家に泊まっていて今はちょうど昼飯を振る舞っているところだ
「らしいな。でもお前には関係ないだろ?」
「いやいや関係あるないとかじゃなくて
ほら花火大会だぜ?日本人たるもの風物詩は見なちゃ」
何かグチグチと理屈をたてているが
ただ単に花火が見たいだけなんだろう
「それにさ……トリと花火見たい…し……」
長年好きだった相手にこんな可愛いこと言われたら誰でも一緒に行ってやるかと思う
「あぁ、わかった
ただし…「ネームが終わったらだろ?」」
そう言うと思って終わらせたんだー
偉いだろ!と続けて言うから正直驚いた
「あと前回は最後の方人に酔って楽しめなかったけど今回はちゃんと酔い止めも飲んで行って最後まで楽しむぞ」
昔からお祭りとか好きなやつだったがこんなにもはりきったことはあんまりないと思う
裏返せば何か企んでるのか?
〜〜〜
「おぉ綺麗だな」
今は無事に花火を見ている
また来た時はフラーと屋台に引き寄せられていって迷子になったが何とか合流することが出来た
「なぁトリ…こっち向いて」
……?
「なんだ?」
チュッ
いつもは千秋からキスなんて滅多にしないのに
増して外なのに
「……あのさ…この花火大会って恋人と最後まで一緒に見て見終わったらキスすると…一生傍にいられるんだって…さ」
「……」
「えっ…もしかして嫌だった?」
「…そんなことない」
「お前何で笑ってるんだよ!」
笑っているつもりはないがにやけてる自信はある
まさか千秋がそんなこと思ってくれてるとは思わなかった
こういう行動が
『恋は曲者』
って言うのかもな
(でも、たとえお前が離れたいっていっても俺は更々手放す気はないけどな)