main(短編)

□鷹の任務
1ページ/1ページ

サスケが里抜けして早くも三年がたとうとしていたとき…突然再開の場面が訪れた。


「サスケ…?」


それは懐かしいようなチャクラを感じたナルトの台詞だ。
なんとしても連れ帰る…その本能にかられ、走り出す。


「サスケ…っ!!」


僅かな気配を便りに探すもその気配は儚く消えていく。

気がつけばナルトは外れまできていた。
木々に囲まれた静かな場所。


「居るんだ、サスケーっ!!」


なんとなく…この近くにいると思察した。


「……ト」


微かに聞こえた声のもとへナルトは駆け寄る。


「――っ!?」


木の根元に背を任せるように座るサスケがいた。
服は破れ、血が滲んでいる。


「サスケ!?」


ナルトはサスケに駆け寄り揺する。


「っ…や、めろ…」


サスケはその手を弱々しく払った。
傷に響いたのか目を細めている。


「あ…わりぃ…つーかこの傷どうしたんだよ!!」

「ナルト…お前には関係ない」


サスケはナルトの手を振り払うとふらふらと立ち上がった。


「どこいくんだよ…」

「宿に戻る…治療…しねぇと…っく、」


ナルトはサスケを軽々とお姫様だっこする。


「宿まで連れていってやる。治療して…里に連れて帰るのはそれからだ」


サスケは抵抗するのもしんどかったのか宿の場所だけ告げるとそのまま目を閉じた。


「ここか…?」


ナルトはサスケの言っていた宿につくと、ゆっくり下ろした。
複数人で活動しているようであることは落ちていた外套で分かった。


「サスケェエェェェっ!!!」


ナルトが一人でそんなことを考えていると扉から、赤髪の女―香燐が入ってくる。
ナルトには見向きもしないで香燐はサスケに駆け寄った。


「チャクラ反応が弱くなったから心配で戻ってみれば何やってんだよ!」

「…煩い」

「ったく…アイツら呼んでくるから大人しくしてろよなっ」


…………。


「騒がしいやつだってばよ…」

「任務中で舞い上がってるだけだ」


サスケは下を向き、冷たくいい放つ。
手を背後に回しながらゆっくり顔を上げる。
人を見下しているかのような瞳が冷たい色を灯した。









「九尾狩りっていうな」

「―!?」


サスケは隠し持っていたクナイをナルトに向ける。


「騙したのかよ…サスケ」

「お前なら簡単に引っ掛かってくれるって信じてたぜ」


好きだったからこそ…サスケはナルトのことを誰よりも理解していた。


「他のだれかにとられるのだけは我慢ならない。大人しく俺についてこい」


サスケの悲しそうな声。
ナルトはそれを鼻で笑った。


「ハンッ、しばらく会わないうちに束縛癖でも付いたんじゃねーか?」


ナルトは両手をあげ、サスケがクナイを下ろすのをまつ。


「わりぃ」

「ナルト―ッ!?」


壁から天井へ…サスケの視界が突如変わった。
気付けばサスケは両腕を頭の上で拘束されナルトが馬乗りしている状況。


「いつからこうなっちまったんだろうな…」

「どうだっていい…俺はお前を殺す。それだけだ」


好きだからこそ…自分の手で殺す。
そういいたげにサスケは広角をあげる。


「愛してるぜ、ナルト」

「俺もだ…サスケ」


ナルトがサスケの耳元で呟いた直後―突然の爆音が周囲から聞こえた。


「サスケー?」


大振りな刀を片手の水月を中心に香燐、重吾が煙の中からでてくる。
煙がはれた部屋のなか。
サスケは忌々しそうに水月を睨んだ。


「あれ?九尾は??」

「お前が派手にでてくるから逃げられた」


その後水月はサスケから数時間に及ぶお説教をくらったとか…





ーendー

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ