長編(ボカロ)
□さくら(2)
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なんとなく窓の外を見ると、それは見事な桜が舞っていて。
少し感心する。
「咲音先生。」
少しおどけた声がして私は振り返る。
「ミク…」
「やっほ!!めーちゃん久し振り」
ミクは無駄に長いツインテールを揺らしながらネギを片手にニコニコ笑う。
「ミクも久し振りね。」
そう言って私も同じようにニコニコ笑う。
「それより、大丈夫?」
ミクは急に険しい顔をして私に聞く。
「…レンと鏡音リンのこと?」
溜め息混じりにそう聞くとミクはコクリと頷いた。
レンとは私の義理の弟で今日から生徒になる。
ミクとそのいとこのミクオ(クオ)と私とレンは所謂幼なじみ。だからミクとレンの担任になれたことはとてもうれしいのだが。
大きな問題が一つ。
鏡音リン。
彼女とレンは近づけてはならない。
「平気よ。だからミクは安心して?」
私は何だってする。
それが可愛いこの子達の為になるなら。