捧げ物

□ぼんへ
1ページ/1ページ





「「ザ・ハリケーン!!」」

「風丸さんも吹雪さんもすごいっす♪」
「前よりも一段と威力を増したな・・・・・」

「ハァッ・・・・・ハァッ・・・」
「大丈夫か吹雪?少し休んだ方がいいんじゃないか?」
「ううん、大丈夫だよ風丸君!さぁもう一回やろう」
そのいつもより弱々しい吹雪の笑顔を疑問に思いながらも、次のボールをもらう。

太陽の日が眩しく照り付けて、額には汗を流しながらも吹雪とタイミングを合わせて地面を蹴って走り出す。
お互いにパスをして、技を出す手前で吹雪にボールを渡したその瞬間



ボールはコートの外に転がり、つま先からつまづいて吹雪が膝からその場に倒れこんだ。

「吹雪!?」
「・・・・・・・・・・風丸君」

「・・・・・はぁ〜、全く無理して」
「ごめん、でも僕風丸君とサッカー出来てて楽しくて・・・・・」
「あぁ、分かった分かった」

吹雪の言い訳を受け止めて、少し呆れながらもしゃがみこんで脇に手を通し、膝の裏を持って軽々しく持ち上げる。

「か!風丸君!?」
「大人しくしてろ、落ちるぞ?」
「・・・うん、ありがとう風丸君」

ベンチに向かいながら、お姫様抱っこをして自分の胸に収まっている吹雪を見て深い溜め息をつく。





(なんか俺・・・・・お母さんみたいだな)



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ