捧げ物
□ぼんへ
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生暖かい風が吹き、なびく後ろ髪を耳にかける仕草をした自分に目を閉じて今はない母を感じて微笑み、周りを見渡す。
曇一つない晴れやかな空に顔を出す太陽の日は私を包んでいる緑と高々とあるこの丘から下に広大と広がる街並みを照らしている。
後ろに手を組みしっかりと地に足をつけて大きく息を吸うと仄かに自然の香りがして、鳥のこぼそい鳴き声や風に揺れて低く波のある音をたてる草木の音を聞きながらゆっくりと首を上へと向ける。
・・・・・・お母さん、お父さん
私は生きてます
どんなに醜くくとも、嘲笑われる小汚い生き方をして来たとしても、私はこの時・・・・しっかりと立っています
それは
回りにいた人々のおかげ
『血が繋がっていないとしても、お前はわしの娘だ・・・・』
何があっても
『鳥の姿だろうと・・・・・・人間の姿だろうとッ・・・・・・どんな姿、形をしていても!俺と羽雪の繋がりは消えない!!!』
支えてくれた
『俺はな・・・・・・・・・・お前が笑えればそれでいい』
優しさを
『ありがとう!私っ羽雪と一緒にいて、羽雪の親友で良かったぁ!!本当に・・・・ッありがとうぉ!!!』
笑顔を
『俺がお前の・・・・・・お前達の‘絆’になってやるよ♪』
向けてくれた
『ごめん・・・・ごめんなぁッ!こんな!!ごふっげほ、げほ・・・・・・お兄ちゃんでッッッ許・・・・さ!なくて、いいからっがは!だからぁ!!!』
私の人生は
『・・・・・・・・・・・・・・・・・どうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・幸せに』
全てみんなとの思いで
それに
『羽雪』
『好きだ』
例外なんてない
「ッ・・・・・・・・お母さん、お父さん!私を生んでくれて」
「ありがとうございました・・・・」
真っ直ぐと前を向き深く頭を下ろして服の袖を掴んでフルフルと震える手に力をこめ、精一杯声を絞り出した。
今自分の顔はきっと、長年想いを寄せていた人に勇気を出して告白したがフラれてしまい悲しくて、苦しくて・・・・涙や鼻水でぐしゃぐしゃに歪んでいると思う・・・・・・。
でも
それでも
心から笑っている
そう自信を持って言える
「四年の時をへても私は「羽雪」
「行こう」
「・・・・うん、今行く」
「 」
人生を歩み続ける