捧げ物

□カトラス様へ
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「・・・・・・・・・・」

ふいに意識が現れると目を開き、辺り一面白い空間に包まれているのを体の向きを変えながら見渡し、眉間に深い皺を寄せる。

「どこだここ・・・・?」

そう呟いた時、どこからか魔物の遠吠えが聞こえてきて聞こえた方へ体と顔を向ける・・・・ほんの一瞬悩んだ後に声がした方に足を進めた。



















「・・・・!」

白い空間をずっと歩いていると前からピンク色によくはえる黒い軍服?風のワンピースに人形を抱き締めたか弱そうな女の子が歩いて来た。
自分以外にもこの空間にいた人物がいたのかと思いつつも小走りして近付いていく。

「君!名前は?」
「・・・・・・アリエッタ」
「ここがどこだか分かる?」
「分からない・・・・でも」
「でも」
「黄緑色の長い髪をした優しい人が私は“こっち”じゃないあっちって言われて」

その話を聞き、腕を組んで気持ち斜めに顔を伏せて思考を巡らせる。
もう一人の人物がここの空間をよく知っていると考えていいだろう・・・・だがもしも危険な人物だとしたら、そんな事を考えてもまずはその女に会わなくて何も始まらない。
自分の中で意志が決まり、それを表すかの様に顔を上げて組んだ腕をとく。

「そいつに聞けばここが何処だか分かるかもしれない・・・・その女の人はどっち?」
「あっち」
「ありがとうアリエッタ、じゃあまた」

指を指すアリエッタにお礼と挨拶をしてから歩き出すがふいに自分の名前、ミトスとアリエッタに名乗っていないと思い返すがまぁ広いと言ってもただ白いだけの空間、会おうと思えばまたすぐにでも見つけられる。
後ろで手を振ってくれているアリエッタにごめんねと軽く心の中で謝罪し一直線に歩き出した。



















何時間歩いたか分からないがその割にはまったく疲れないのに疑問を持ちながらも一歩、また一歩とただ真っ直ぐに進んで行くと視界を覆っていた様な本当に薄い霧が晴れて視線の先に物影が映し出された。

「ッッッ・・・・」










「姉さん!!!」

感動のあまり叫んでいきよい良く飛び込み抱きついて、何年ぶりの再開に涙を堪えつつ・・・・一番愛した温もりを感じる。

「・・・・姉さんがいるって事は、僕は」
「・・・・・・えぇ」





「死んだんだね」



「私はミトスを迎えにきたの」
「そっか、ありがとう姉さん・・・・また
会えて本当に嬉しいよ」





僕は何も出来なかった





・・・・それでもいい





自分は正しい事をした、でもロイド達の方が強かっただけの事





彼らなら素晴らしい未来を切り開くだろう





僕はここでいい






だってここが











「聞いて・・・・友達が出来たんだ、ジーニアスとアリエッタって言うんだけど」





僕の天国


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