時空の巫女
□第五話 時空の巫女
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「妖精の尻尾(フェアリーテイル)に所属していたのか…
時空の巫女(オラスパツィオメイデン)!!!」
『……!!』
「おらしおめいでん?」
「“オラスパツィオメイデン”だよナツ。」
「“オラスパツィオメイデン”…時空の巫女だと?」
「誰のことかしら?」
『あたしの呼び名。』
「シータの呼び名?」
『闇ギルドの間ではそう呼ばれてる。』
「シータが言わなかった魔法に関係してるの?」
「何だよなにも知らねぇのか!?おいおい冗談だろ!!」
「「「!!」」」
「何?」
「どういう意味だ。」
エリゴールが笑いながらナツ達を見る。明らかに何かを知っていた。
「こいつは哀れな女でな。知ってるか?こいつの過去を。」
『!!やめろ!!』
「黙ってろよ巫女様!」バッ
『!?しまっ…!』
「「「「シータ!!!」」」」
カゲヤマの魔法により、体を拘束されたシータ。グレイとナツが拘束している影をはずそうとするが、力が強く取れない。
「シータを放せ!!」
「まぁ待てよ。話はまだ終わってねぇよ。」
『ふざけるな!余計な事を話すな!!』
エリゴールを止めようと暴れるシータだが、カゲヤマの魔法のせいで動けない。そんなシータを見てエリゴールはニヤリと笑う。
「とある闇ギルドがガキだったこいつを狙い、家に押し入ったんだ。狙いはこいつが持っているらしいリバイバルシールキー…復活と封印の鍵だ。ま、本人は知らされていないけどな。」
『なにそれ…なんであんたがそんなこと知ってんのよ!?』
「やっぱり知らなかったか…そして家に押し入るが、ある女が立ちはだかった…名前はアンナ・」
『黙れええぇぇぇ!!!!』
ゴオオオォォ!!!
シータが叫んだと同時にシータの魔力が爆発的に上がる。
「!?うわっ!!」
「きやっ!?」
「うお!?」
すぐ近くにいたグレイとナツとルーシィはシータの魔力が爆発的に上がった影響で起きた風に耐えきれず吹き飛ばされ、エルザの少し前に着陸する。
「グレイ!ナツ!ルーシィ!」
「大丈夫だ!」
すぐにシータの方を見ようとした時
バン!!
何かが破裂するような音がして、目を向けると、さっきまでそこにいたはずのシータが姿を消していて、拘束していた影の破片が落ちていた。
「シータが…消えた?」
「ど、どこに行ったの!?」
皆が辺りを見渡す……と、
『動くな。』
シータの氷で造られた長剣がエリゴールの首筋のすぐ近くにあった。エリゴールも驚いているようで、シータの長剣と首との差は一pもない。
『……。』
「いいねぇ…その眼。怒っているな。」
「い…いつの間にあんなところに…。」
「私でも見えなかった…。」
シータの驚異のスピードと魔力に驚いてルーシィとエルザは眼を見開いていた。
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