時空の巫女

□第四話 呪歌
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「何という事だっ!!!!話に夢中になるあまりナツを列車においてきたっ!!!」


『ナツ乗り物に弱いからね…


「私の過失だ!!とりあえず私を殴ってくれないか!!!!」


「『まあまあまあ』」


ナツを置いてきた事に責任を感じ殴れというエルザ。しかし彼女を殴るという勇者はいないだろう。


「そういう訳だ!!列車を止める!!」


「ど…どういう訳?


『エルザ、理由を言おうか。』


理由を話さずに駅員に言い放つエルザ。しかし駅員は混乱するだけなのでシータが止める。


「フェアリーテイルの人はシータを除いてやっぱみんなこーゆー感じなんだぁ…。」


「オイ!!オレはまともだぞ!!」


「露出魔のどこが!?


『服をすぐ脱ぐ人が?』


「………。」


ルーシィとシータに指摘され、何も言えなくなったグレイ。


「仲間のためだ。わかってほしい。」


「無茶言わんでくださいよ!!降りそこなった客一人のために列車を止めるなんて!!」


「ふ…普通はそうよね…


『アハハ…


ごもっともな意見に苦笑するしかないシータ。がしかし…エルザは駅員の後ろに緊急停止信号を見つけた。


「ハッピー。」


「あいさー!!」ガコン


ハッピーは駅員の後ろまで飛ぶと緊急停止信号のレバーをおろす。

















ジリリリリリリリ!!


「な…なんだ!?」「事故か?」


大きな音が鳴り響き、線路の横にある電灯が赤いひかりを灯していく。


「ナツを追うぞ!!すまない、荷物を“ホテル チリ”まで頼む。」


「誰アンタ…


一般人に荷物まで頼むエルザ。


「もう…めちゃくちゃ…。」


「だな…。」


『買Oレイはいつ服脱いだのさ!?』


「買A゛ア゛いつの間に!?」
















ブロロロロロロ


線路の横を魔動四輪車が走っていた。


『風気持ちい〜♪』


「ちょっとシータ!上にいたら危ないわよ!」


『風でめくれないようにフードはちゃんと抑えてるよ?』


「蝿痰、!!そこじゃない!!グレイが落ちたらどうするのよ!?」


「んなヘマしねえよ。」


エルザが借りてきた魔動四輪車の屋根の上にはシータとグレイが乗っており、グレイがあぐらをかいてシータがその足の間に座る形になっている。グレイはグレイでシータを後ろからシータの前に腕を回し、抱き締めるようになっている。


『だってグレイが“ここにこい”って。』


「べつにいいじゃねえか。」


「怪我させたら承知しないからねグレイ。」


「大丈夫だルーシィ。もしもそのようなことになったら私が黙っていない。」


「……」ギュッ


ルーシィとエルザの後ろに見える般若のようなものに思わずシータを抱き締める腕に力が入るグレイ。

とそこに…


「とう!!」ガシャン


突如ナツが列車の中から窓を割って出てきた。予想外のことにシータ達は慌てる。


「ナツ!!」


「ああああああ!!」


「何で列車から飛んでくるんだよぉ!!」


「どーなってんのよ!!」


空中にあるナツの体は自由がきかず、そのままグレイとシータの方へ飛んでくる。


そして














ゴ チ ン


「「ぎゃああああああ!!!!」」


ナツとグレイは断末魔のような叫びをあげながら地面に落ちた。


『んぅ…あれ?いた……く、ない?』


グレイに道連れのように落ちたと思っていたシータは、フードはずれ落ちていたが、来ると思っていた痛みがこないため、疑問符を浮かべる。と、自分のしたに柔らかい感触と、温もり、圧迫感を感じる。


「痛つ…大丈夫か?シータ。///」


声が自分の上から聞こえ、顔を向けると少し顔を赤くしながら心配する顔のグレイが。落ちながらもシータを抱きしめて落下から守ったのだ。


『あ!!グレイごめんね!!重かったよね!!』


「いや…つーか軽すぎだし///」


シータが慌ててグレイの上から降りる。グレイも上体を起こすが、顔が赤くなっているため、シータと顔をあわすことができない。
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